V長崎 逆転自動昇格へ望み 千葉に2-1 2位横浜FCとの勝ち点差3
明治安田J2第37節第1日(3日・フクダ電子アリーナほか=9試合)3位のV・ファーレン長崎は千葉に2-1で競り勝って4連勝。勝ち点を72に伸ばした。栃木と0-0で引き分けた2位横浜FCとの勝ち点差は3となり、V長崎は最終節での逆転J1自動昇格へ望みをつないだ。 自動昇格は最終節の勝利が絶対条件。勝った上で横浜FCが敗れれば、勝ち点75で並んで得失点差で上回る。横浜FCが引き分け以上の場合、V長崎は3位が確定して昇格プレーオフに回る。 V長崎は前半4分、増山の右サイド突破から獲得したPKをマルコスが決めて先制。25分にFKを千葉のエドゥアルドに頭で合わせられて追いつかれた。後半28分に千葉にPKを与えたが、GK若原が左に跳んで防ぐと、39分に松澤の左クロスをエジガルジュニオが押し込んで勝ち越した。 前節にJ1復帰を決めていた清水はいわきを1-0で下してJ2優勝を決めた。岡山は藤枝を2-0で下して4位浮上。山形は水戸に3-1で勝ち、8連勝で5位に上がった。前節まで4位の千葉は6位に後退した。 第37節最終日は4日、熊本-仙台の1試合を実施。最終節(第38節)は10日午後2時から各地で10試合が行われ、V長崎は長崎市のピーススタジアムで愛媛と対戦する。 ◎4連勝 エジガル決勝ゴール 負けられない試合が続く終盤戦に、頼れる男が最高の形で帰ってきた。第27節を最後に故障で戦列を離れていたV・ファーレン長崎のエジガルジュニオが、J1自動昇格の可能性をつなぐ決勝ゴール。「自分が決めて、チームが勝って、最終戦に(自動昇格の)望みを残せた。これ以上最高の復帰戦はない」。言葉と表情に充実感がにじんだ。 勝たなければ自動昇格が断たれる状況。一方の千葉も昇格プレーオフ進出へ生き残るために負けられない一戦。V長崎は開始早々に先制しながら追いつかれ、満員の大歓声を背に両サイドから何度も攻め立ててくるホームチームに劣勢を強いられていた。 エジガルジュニオは1-1の後半17分に交代出場。苦しい時間は続いていたが、下平監督が「この試合のハイライト」に挙げた後半28分のGK若原のPKストップで流れはV長崎に傾いた。そして後半39分を迎えた。 松澤が左サイドから得意のドリブル突破を仕掛ける。「ボールは上がってくる」と信じて、ペナルティーエリアのファーサイドで待った。ヴァウドと交錯しながら触ったボールは、相手DFの頭をはじいてふわりとゴールへ。両手を広げて走り出し、天に両手の人さし指を突き上げた。 今季は序盤から好調で第22節までに14得点。だが、第28節以降は故障でもどかしい時期を過ごしていた。それだけに「試合が終わった後は感極まった」。リーグ戦は残り1試合。「相手(横浜FC)次第だが、勝って自動昇格したい」。頼れるストライカーが、そのゴールで昇格を呼び込む。