巨人・増田大輝 小さな体で抱く“夢”/ドラフト下位選手の今
一瞬の判断や度胸が試される短期決戦でこそ、背番号0が光った。4年ぶりにセ・リーグを制した巨人はクライマックスシリーズ・ファイナルステージでDeNAに敗れたが、増田大輝は第1戦で故障の吉川尚輝の代役として二番・二塁で先発するなど、出番を多く与えられた。 【選手データ】増田大輝 プロフィール・通算成績 3連敗で迎えた第4戦では、7回に代走で一塁へ。二塁に進んだあと、「セーフになることだけを考えて、アウトになったらなったときに考えよう」とサインではなく独断で三塁へ盗塁を決め、本塁への好走塁で大きな追加点をもたらした。 続く第5戦は三塁に入った8回の守りで、無死一塁で蝦名達夫が試みたバントを猛チャージして捕り、併殺を完成させた。9回にも三ゴロを球際でさばく好守を披露。「(外野守備兼走塁コーチの)亀井(善行)さんにスーパーサブの“レギュラー”だと言ってもらえたのが自信になっている」と胸を張った。 2016年入団の育成ドラフト1位で、独立リーグの四国IL/徳島から入団。17年のシーズン途中に支配下登録されたが、一軍初出場は19年。すでに25歳だった。元とび職人という経歴を持つ31歳は、入団前の15年2月に結婚した夫人と二児を妻の実家がある徳島・阿波市に残し、単身赴任中。「一緒に住みたいけど、まずは家族を養えるお金を稼がないといけない」と夢を抱いている。 172センチと体は大きくないものの、持ち前のスピードと技で、プロの世界を生き抜く。 写真=BBM
週刊ベースボール