約50頭の『野犬』うろつく港町「突然襲ってくる可能性も...」地元住民に募る不安 夕方に“一斉遠吠え”...夜中の激しい鳴き声に「寝られへんねん」
専門家「犬が群れで自由にしているという状態は問題」
野犬の保護に苦戦する和歌山市ですが、動物愛護や動物福祉に詳しい専門家は、法的な観点からも野犬保護の重要性を指摘します。 (帝京科学大学 佐伯潤教授)「犬の場合は、狂犬病予防法という法律が適用されます。特に(狂犬病の)感染が維持されやすかったり流行しやすいのが犬ということになるので、犬は特に法律で厳しく管理されているなかでは、犬が群れで自由にしているという状態は問題なんです」 一方で、犬はこの法律によって、本来誰かが必ず飼育していなけばならず、不妊去勢手術などをしたとしても猫のように再び地域に放すことができないといいます。 (佐伯潤教授)「野良猫は地域猫活動があったりとか、去勢や避妊をしてまた(地域に)戻すということがあるんです。猫では一定そういうことも行われていますけれども、犬では法律上の観点からもそこは難しいです」
警戒心が強い成犬の引き取り手はなかなか決まらず
6月23日、和歌山市動物愛護管理センターでは、野犬などの新たな飼い主を見つけようと犬や猫の譲渡会が開かれていました。 (訪れた人)「かわいいな」 (職員)「野犬の子どもでして」 (訪れた人)「何歳くらい?」 (職員)「まだ数か月」 和歌山市は月に2回譲渡会を行っていて、この日は、パトロールで保護した子犬1匹に新たな飼い主が決まりました。しかし、成犬になった野犬は人への警戒心が強く、今年度、市の譲渡会で引き取り手が決まった野犬は、子犬が6匹なのに対し、成犬はまだ1頭だといいます。 (北辰悟センター長)「なかなか成犬が決まりにくいというのが現状。(問題解決には)飼ったからには責任をもって最後まで飼っていただくと、これが一番大事だなと」 人間が無責任に捨てたことが始まりとされる野犬。けが人が出る前に、少しでも減らす方法はないのでしょうか? (2024年7月18日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『発掘!憤マン』より)