再審=やり直しの裁判で無罪判決を受けた袴田巖さんが9月29日、判決後初めての公の場となる集会に出席し、「無罪勝利が完全に実りました」と述べ支援者に感謝を伝えました。 袴田巖さん「無罪勝利が完全に実りました」集会に出席し感謝伝える　再審判決後初めて公の場に

袴田さんの姉・ひで子さん（29日・静岡市）

袴田巖さん： 私が巖でございます。待ちきれない言葉でありました。無罪勝利が完全に実りました 58年前、当時の静岡県清水市で一家4人が殺害された事件をめぐり、死刑が確定した袴田巖さんのやり直しの裁判で9月26日、静岡地裁は袴田さんに対し無罪判決を言い渡しました。 9月29日、静岡県弁護士会などが静岡市葵区で開いた判決報告会に参加した姉・ひで子さん。 集まった約120人の支援者を前に語ったのは、これまでの感謝と弟に対する思いでした。 袴田ひで子さん： 「新聞に無罪って書いてある。裁判長がそう言ったの」と言ったんですが、やっぱり言葉は発しません。多分、多少は分かっているかと思います。きょう（29日）は、「ありがとう」って言葉、ぜひ巖に言わせたいと思っております。皆様、長い裁判で本当にありがとうございました

袴田巖さん

そして、集会が始まってからおよそ20分後。無罪判決後初めて公の場に姿を見せた袴田さん。 会場から温かい拍手が送られるなか車イスから立ち上がると、姉・ひで子さんと共に壇上へと向かいます。 袴田巖さん： 私が巖でございます。待ちきれない言葉でありました。無罪勝利が完全に実りました。ついに完全に全部勝ったということで、きょうはめでたく皆さんの前へ出てきたということです。無罪勝利ということで検察も認めたということでございます。これからの闘いにおいては政治的に社会的に秩序を守っていく、これが根本的なものでございます。どこまで闘いに勝てるかという事でよろしくお願い致します そして姉・ひで子さんに促された袴田さんは 袴田ひで子さん： ありがとうって言いな 袴田巌さん： ありがとうございました 長年の拘留の影響で未だ拘禁症状が残る中、自らの言葉で感謝の思いを伝えました。

弁護団・小川秀世 事務局長

弁護団の小川秀世 事務局長は涙が浮かべていました。 弁護団・小川秀世 事務局長： ひで子さんが（袴田さんに対して）今回無罪になったということを伝えたら、それに対しては何も拒否的なことあるいは否定的なことを言わなかった。これは絶対に巖さんに何か通じているんだと、伝わっているんだということを伝えようと思っていたら、本当に伝わっていたじゃないですか。すごくうれしいです 10月10日までに検察が控訴しなければ袴田さんの無罪が確定します。