ユーティリティーと呼んでるのは日本だけ!? 「ハイブリッド」や「レスキュー」とはなにか違うの?
「ユーティリティー」と呼んでいるのは日本だけ
クラブにはさまざまな種類がありますが、その中でもユーティリティーは「打ちやすいクラブ」として浸透しており、セッティングから手放せないという人も多いのではないしょうか。 【写真】冬場はUTでスコアメイク! 2024年10月の中古ユーティリティー売れ筋ランキング
ハイロフトのユーティリティーは常に品薄状態
ユーティリティーの名で通っている一方、他にも「ハイブリッド」や「レスキュー」といった名称も耳にしますが、違いはあるのでしょうか。レッスンプロ兼クラフトマンの関浩太郎氏は以下のように話します。 「結論から言うと、どの名前であっても用途は同じで『フェアウェイウッドとロングアイアンの中間のクラブ』を指します。『ユーティリティー』という呼び方は日本だけで浸透しており、海外では通じないでしょう」 「ユーティリティーは日本のメーカーであるプロギアが開発した『インテスト』というブランドに端を発しています。今までにない性能から一世を風靡(ふうび)しました。ヘッドの形状が特徴的だったことから、ゴルファーの間では『タラコ』の愛称でも親しまれました。以降、海外メーカーも影響を受けて同様の形状や性能を持つクラブを作り出し、現在に至っています」 「海外では『ハイブリッド』と呼ぶのが一般的ですが『中間に位置するもの』『2つの特徴を融合させたもの』という意味でユーティリティーと同様になります」 「そして『レスキュー』はテーラーメイドが独自に使用している呼称で、フェアウェイウッドやロングアイアンに苦手意識を持っている人向けに『これさえ入れていれば間違いないお助けクラブ』という意味を込めて、このような名前になったとされています」
ウッド型とアイアン型の2種類がある
さらに、ユーティリティーにはウッド型のものと、限りなくアイアンに近いものの2種類が存在しますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。 「ウッド型の方が、ヘッドに奥行きがあって重心深度を深くすることができ、打ち出し角が大きくなってロフト以上にボールが高く上がります。ほかにも、ソールが分厚くてダフリなどにも強いのがメリットと言えます」 「対して、アイアン型はコントロール性能に長けています。ヘッドスピードが速い人はウッド型を使うとボールが高く上がり過ぎてしまう可能性があるため、アイアン型がより適しているでしょう」 困難なシチュエーションに遭遇した際「ユーティリティーに助けられた」という経験がある人も多いのではないでしょうか。日本で「ユーティリティー」が誕生したのが1980年代とクラブの中では歴史が浅いです。そのぶん最新技術を駆使して多くの人にとって使いやすくなるように作られ、クラブの近代化にも大きく貢献したと言えるでしょう。
ピーコックブルー