熟睡できない…24時間付きっきりで温め続ける!ジャイアントパンダの体が白黒なのは母親の愛情の証でもあった【独占取材】
和歌山県・白浜。リゾート地としても人気の街に、開園から45年を迎えたテーマパーク「アドベンチャーワールド」がある。ここは“日本一のパンダファミリー・浜家”が暮らすテーマパークとしても知られ、園内には、これまで10頭のジャイアントパンダを産み育てた良浜(らうひん)という、メスのお母さんパンダがいる。 【漫画】24時間熟睡せずに抱きかかえ温めるお母さんパンダの愛 良浜(らうひん)が、10頭の母になるまでに、どのような物語があったのだろうか―。中国国外の飼育施設で世界一の繁殖実績をあげる「アドベンチャーワールド」。そこで暮らす良浜(らうひん)の命の物語を「パンダのミライー浜家・良浜 いのちの物語ー」と題し、取材をもとに遥那もより氏(@moyoribiyori)の漫画とともに届ける。 ■生まれた赤ちゃんパンダはピンク色!一体いつから白黒になるの? 生まれた日を0として数える0日齢(にちれい)。だいたい25日齢目で体の白黒がはっきりとしてくる。ただ、それはお母さんパンダの苦労があってのこと。ジャイアントパンダの赤ちゃんは、生後1カ月ほど経たないと毛が生えそろわず、体温の維持ができないでいる。 そういったこともあり、お母さんパンダが24時間、赤ちゃんパンダを離さず抱き、温めている。その間は、熟睡することもできない。赤ちゃんパンダを舐めるシーンをよく見るが、それは舐めることで体を綺麗にするだけでなく、排せつをうながしたり、体温調節のサポートをしているのだ。 赤ちゃんパンダに24時間付きっきりになっているお母さんパンダ。「何頭も同時にお世話をするのは難しそう」と思う人も多いだろう。しかしながら、パンダが双子で産まれてくる確率は45%と非常に高い。そのため、育成率を上げるべく「入れ替え哺育(ほいく)」と呼ばれる方法で、スタッフが良浜のもとにいる赤ちゃんパンダを入れ替えながら授乳をして、双子の赤ちゃんパンダを育てている。 飼育スタッフ曰く、大きくなった双子のパンダとはじめて対面したときの良浜が、少しビックリしているようにも見えたとか…。 奥が深い、ジャイアントパンダの出産。今後も、そんな母・良浜(らうひん)の命の物語をつづっていく。
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