後潟(青森)へい死率低下/陸奥湾ホタテ調査
陸奥湾養殖ホタテガイの成長状況などを調べる秋の実態調査が5日始まった。この日は青森市、むつ市、外ケ浜町の湾内3カ所で調査が行われ、漁協や県の職員らが今春生まれた稚貝と2023年生まれの新貝の大きさや死んだホタテの割合(へい死率)などを確認した。湾内の稚貝へい死率が52.5%となった昨年と同様に今夏も高水温が長期化したが、青森市の後潟漁協では29%にとどまった。養殖施設を水温の低い深部へ沈める対策が奏功した。 後潟漁協では沖合3キロの養殖施設から稚貝約1600枚、新貝約300枚を採取。同漁協によると、へい死率は稚貝が29%、新貝が21%と猛暑の影響を受けた昨年に比べ10ポイントほど回復。貝の大きさは稚貝が平均2.2センチ、新貝が同7.8センチで、いずれも昨年より0.5~1センチほど小さかった。 昨夏の経験を踏まえ養殖施設を水温の低い深部へ沈めるなど対策を取ったことで大量死が抑えられたという。ただ、水深が深いほど餌となるプランクトンの数が少ないため、貝の成長が遅れたとみられる。 同漁協では現在、成長した稚貝を別の養殖籠に移し替える分散の作業が行われている。山口隆治組合長は「分散に必要な稚貝は確保できた。来年の水揚げは今年よりも良くなるのではないか」と期待を示した。 調査は湾内10漁協で11日まで行われ(悪天候の場合は順延)、12月の報告会で結果が発表される予定。