角田裕毅のQ1敗退でスペインGPはすでに諦めモード? チームは次戦見据えドライバーを高く評価「最大限を引き出してくれた」
F1第10戦スペインGP予選が6月22日に開催され、RBの角田裕毅は17位と第5戦中国GP以来のQ1敗退を喫した。予想外の結果に、本人とチームからはすでに次戦以降を見据えた発言も多く飛び出している。 【動画】角田裕毅の会心のアタック直後の“非情な”チーム無線をチェック 5戦連続のQ3進出とはならなかった。角田は開幕戦のバーレーンGPでQ2敗退、中国GPでQ1敗退した以外は全てのレースでQ3まで進出していたが、残念ながらスペインGP予選は低調なパフォーマンスに終わった。 ここまでRBは着実にポイントを重ね、中団勢トップから上位勢に食い込もうかという走りを見せており、熾烈さを増している中団勢での戦いをより有利に進めるために今回のグランプリからエアロパーツを中心とした大幅アップデートを投入した。 しかしフリー走行から冷却システムトラブルなどで十分にマシンを走らせることができない事態に見舞われたほか、DRSにも不具合が発生するなど、問題が多発。FP3では20位と前戦までの好調さは見る影もなく、角田は「アップデートは期待通りに進んでいるが、自分たちが思ったようなペースではない」と話していた。 迎えた予選Q1、角田はタイヤ2セットのアタックを終えて17位タイムしか記録できず、3セット目のアタックは大きなミスなく会心の走りを見せたものの、カットラインに0.104秒及ばずまさかのノックアウトとなった。 レース後、角田はチームを通じてコメント。「今週末はペースに苦しんでいて、改善するために色々なことを試したけど、最終的にはフリー走行よりも予選の方が良かった。少なくとも自分のラップには満足しているし、現在のパッケージを最大限に生かすことができたと感じている」とフリー走行の絶不調からできるだけの改善は行ってきたことを強調した。 そして、「ここ数戦は順調に進んでいるし、残念だとしても、チームとしてこの困難な時期に一緒に立ち向かうことが重要だと思う。苦戦から学び、チームとして成長する良い機会。一番大事なのは前向きでいることであり、これからもそうするつもりだ」と今後へ向けての意気込みを語った。 また、RBのテクニカルディレクター、ジョディ・エギントン氏は「マシンのバランスに関しては、いくらか改善が見られた。これだけでは十分ではないので、やるべきことがたくさんあるのは明らかだが、(次戦の)オーストリアGPに先立って、マシンからより多くのものを引き出す必要があり、この作業の大部分は、ここバルセロナで収集した空力データを詳細に分析すること。その一方で、両ドライバーは、ここで評価した数多くのテスト項目に対するフィードバックでエンジニアリングチームをサポートし、提供できたマシンから最大限のものを引き出してくれたので、必要なステップを踏むために活用できるデータがたくさんある」と次戦以降に向けての、角田と、チームメイトのダニエル・リカルドの働きを称賛した。 昨年も角田はカタロニア・サーキットで15番手スタートから入賞まであと1秒ほどに迫るなど順位を上げ、レースペースや修正力を発揮した。ここから3連戦のヨーロッパラウンドということもあり、大きな修正や方向転換が難しいという状況の中、RBと角田がどのような動きを見せるのか、注目が集まる。 構成●THE DIGEST編集部
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