岡田阪神、主砲「大山悠輔」の状態はかなり深刻…積極的な戦力補強に動かなかったツケも出た序盤の戦いぶり
リスクヘッジは必要なかったか
いざ蓋を開けてみると、オープン戦では打率.185と結果を残すことができず、3月27日の二軍戦の試合前には左わき腹を痛めて離脱。いまだに実戦復帰を果たすことができていない。 昨年の成績を振り返ってみても、5本塁打中4本は前半戦に放ったものであり、後半戦に成績を上げていたわけではない。岡田監督の独特の感性から、成長の兆しを感じ取ったのかもしれないが、オープン戦とここまで怪我で離脱していることを考えると、残留という決断は微妙だったと言わざるを得ない。 また、ミエセスを残留させたとしても、このような事態を考えて3人目の外国人野手を獲得しておくなどのリスクヘッジがなかった点も気になるところだ。 チームの持ち味である強力な投手陣は機能しており、打線が奮わない中でもなんとか踏みとどまっている。このまま打線の状態が上がってこないとなると、新たな補強や若手の抜擢などが必要になってくるのではないだろうか。リーグ連覇に向けて、今後、岡田監督がどのような決断を下すかに注目したい。
西尾典文(にしお・のりふみ) 野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。 デイリー新潮編集部
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