「世界の黒幕は…?」陰謀論をテーマにした映画(2)真実を暴くための映画? 大統領暗殺の裏にある闇とは
SNSの発達にともない、近年、世界を席巻している陰謀論。今回は、政府の陰謀や大統領暗殺、ロサンゼルスの闇の部分などを描く、陰謀論をテーマにした映画を5本セレクト。観たものを疑心暗鬼にさせ、イライラさせるが、最終的には爽快感すら感じさせる作品を集めた。今回は第2回。
『JFK』(1991)
監督:オリヴァー・ストーン 原案:ジム・ギャリソン、ジム・マース 脚色:オリヴァー・ストーン、ザカリー・スクラー キャスト ジム・ギャリソン:ケビン・コスナー クレー・ショー:トミー・リー・ジョーンズ ウィリー・オキーフ:ケヴィン・ベーコン デイヴィッド・フェリー:ジョー・ペシ 【作品内容】 本作は、1963年に起きたケネディ暗殺事件の唯一の訴訟であるクレイ・ショー裁判を足がかりに、暗殺の裏に隠された闇に挑むサスペンス超大作である。監督は『プラトーン』で知られる名匠・オリバー・ストーンで、国家に立ち向かう地方検事ジム・ギャリソンを演じるのはケヴィン・コスナー。他にも、トミー・リー・ジョーンズやゲイリー・オールドマンら、アメリカを代表する名優が脇を固める。 【注目ポイント】 アメリカの黒い霧ー。この事件について調べていると、そういう言葉が頭をよぎる。ジョン・F・ケネディ暗殺事件のことだ。 本作は、単なるフィクションではない。ストーンが言うように、「ファクト(事実)をドラマライゼイション(劇化)した映画」である。そのため、実際のニュース映像と再現ドラマを織り交ぜたような構成になっており、ドラマパートでは徹底したリアリズムが貫かれている。とりわけ暗殺シーンは、本物と見まごうほどの完成度で、真実を暴くために映画を使っているようにすら思える。 なお、ストーンはその後、30年の時を経て、同事件をもとにしたドキュメンタリー『JFK Revisited : Through The Looking Glass 』も制作。彼の飽くなき執念をこの目に焼き付けたい。
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