【ウーバーイーツ】ロボット配達の技術がスゴイ!盗まれない?ぶつからない?ギモンを徹底解説 自動運転が先行するアメリカ...『ウーバー』の“真の狙い”を考察
弱点克服のカギは「規制がどう変わるか」
一方で、弱点もあります。この配達ロボットは遠隔操作型小型車という扱いになり、ナンバーもつけて走行しますが、最高速度は時速6kmと規制され、歩道を走ります。そもそも最高時速は5.4kmのため、人が自転車で配達するよりは時間がかかります。また、マンションの場合、人なら部屋まで届けてくれますが、ロボットの場合は下まで取りに行かなくてはいけません。 そうした点を踏まえて専門家は、広く普及するかどうかは“本当に便利”かどうかで決まるといいます。その上で、ポイントとなるのは「規制がどう変わるか」。例えばアメリカでは、車道の路肩を時速20~30kmで走る車両も出始めていますが、そうした試みが日本でも行われるかがカギとなりそうです。
自動運転・無人運転 なぜ日本で進まない?
そんなロボット配達の技術は、車の自動運転・無人運転にも通じます。アメリカでは、無人運転タクシーが実用化されています。 そもそも、工場の機械化は以前から進んでいたのに、なぜ配達ロボットや車の自動運転は最近になって進み始めたのか。工場などの機械と自動運転の決定的な違いは、“瞬時の判断が必要”という点で、それがAI(人工知能)の技術によって可能になってきたということです。 例えば自動車の場合、右折時に「信号の右折矢印が出たら進む」や「前から対向車が来ていないときに進む」はプログラミングで可能です。ただ、実際の道路では「前から車が来ているが、あのスピードだったら進んでも問題ない」などの判断を人は瞬時に行います。こうした判断をAIができるようになることで、実用化が可能になります。 自動運転の技術は、アメリカや中国では既に実用化レベルまで進んでいます。自動運転ラボの下山哲平代表によりますと、「AIのリスクを許容し、AI判断の学習機会を与えた」ことが、アメリカや中国で先行した理由だということです。日本は5~6年遅れているといい、その背景には事故を許容せず安全を重視する日本社会の文化があるのかもしれません。 一方で、日本は最初のスタートが遅くても「便利だとわかったときの広がり方は世界最速」と下山代表はいいます。例えば、2008年にiPhoneが日本に上陸しましたが、2年後(2010年)の段階では“ガラケー”が9割以上でした。しかし2015年ごろに逆転し、今やスマホが90%以上になりました。