世界的な利下げサイクル、10月も継続 米大統領選控え
[ロンドン 5日 ロイター] - 世界的な金融緩和局面が続く中、10月も先進国と新興国の中央銀行が、今年最大の政治イベントとなる米大統領選を前に金利を引き下げた。 10月に会合を開いた、主要10通貨を管理する4つの中央銀行のうち3つが主要政策金利の引き下げを決めた。ニュージーランドとカナダの中銀はそれぞれ金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、欧州中央銀行(ECB)は25bp引き下げを決定した。 日銀は金利を据え置いた。米連邦準備理事会(FRB)のほか、オーストラリア、スイス、ノルウェー、英国の中銀は10月には金融政策の会合の開催がなかった。 現在は先進国市場における金利引き下げの規模と期間に注目が移っている。 米国の選挙結果は、今後の米国や世界の金融政策の動向に大きく影響する可能性がある。また、7日にはFRBが25bpの金利引き下げを決定すると見込まれている。 新興国では、ロイターが対象とした18中銀のうち13行が10月に金融政策の会合を開催。うち6行が金利引き下げを決めた。中国、韓国、タイ、フィリピン、チリは25bp、コロンビアは50bp、それぞれ引き下げた。ロシアは200bpの引き上げを決め、残る6行は据え置いた。 新興国の中銀は、先進国に先駆けて今回の利下げサイクルに着手。 ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのジャン・ボアバン氏は顧客向けのメモで「利下げは間もなく休止される可能性がある」と指摘した。 新興国の動きが寄与し、年初来の利下げは42回で、合計1710bp。昨年は945bpだった。一方、今年これまでの利上げ幅の合計は1300bpとなっている。