守備も切れ味増した三笘薫、進化促す31歳指揮官の要求「それをできないと試合に出られない」
直近のプレミアリーグで4連覇王者のマンチェスター・シティを相手に鮮やかな逆転勝利を収めたブライトンのMF三笘薫だが、気持ちはもう日本代表に切り替わっている。「クラブ的には本当に大きい1勝だったけど、インドネシア戦2日前ですし、切り替えないといけない。チームとして良い準備はできていると思う」。ここからのアウェー2連戦に向けて気を引き締めていた。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 攻撃的3バックの取り組みが続く日本代表において、三笘は9月の代表復帰から左ウイングバックで全4試合に先発中。代表活動では所属チームからの気持ちの切り替えだけでなく、「3バックのウイングバックと4バックのウイングは全然違う。趣向も違うし、移動距離も相手も違う」ことから、「プレーの変化をしないといけない」という。 もっとも、所属クラブでの取り組みが日本代表につながる部分は大いにありそうだ。三笘は今季、ブライトンで守備面の存在感が増大。プレスバックの進路取りや緩急がより洗練されたことで、ボールを奪い切る場面が増えた上、攻撃に出ていく際のスムーズさも増した印象がある。 三笘によると、守備面の変化は今季就任した31歳のファビアン・ヒュルツェラー監督の方針によるものが大きいという。 「監督が相当厳しいところを求めているので、それをできないと試合に出られない。ブライトンの選手を見たらわかると思うけど、そこの強度は求められている」。その基準は前任のロベルト・デ・ゼルビ監督よりも厳しいといい、ウイングバックでの守備に関しても「監督は後ろでの守備も求めているので、それは代表にも活きる」と捉えているようだ。 また攻撃面では、三笘は今季、11試合で32本のクロスを記録しているが、これは一昨季の33試合41本、昨季の19試合44本をさらに上回るハイペース。それも三笘の一つの代名詞となっていた右足アウトサイドの速いクロスだけでなく、左足インステップによる球種の異なるクロスも増え、いずれも精度の高さを見せ続けている。 「左足のクロスの回数は増えていると思う。外を切ってくるところであったり、距離を空けてきた時にはクロスが上げやすい。そこは自分の中で余裕ができていると思うけど、まだまだやることがあるので改善していかないといけない」。いまも満足のいく水準ではないようだが、世界最高峰の舞台でもなおプレーの幅を広げ続けていく姿勢は、代表でのパフォーマンスにも前向きな活力をもたらしそうだ。 もっとも、そうした高みを見据えつつも、目の前にあるアジアの戦いをおざなりにするつもりはない。 15日のインドネシア戦に向けて三笘は「アジアカップではいい試合をして僕らが勝ったけど、失点もしているし、なかなか難しい試合になった。しっかり警戒したい」ときっぱり。相手は活動ごとに帰化選手を加え、戦力を増しているが、「国籍というよりは相手のチームが短期間でどれだけチームを作り上げてくるか。メリットもあればデメリットもあると思うし、僕たちのほうが長い間作っているのでポジティブに捉えている」と冷静に制していく構えだ。