実売7980円! Ring初のパンチルト対応カメラ「Ring Pan-Tilt Indoor Cam」を試して分かったこと
Ringの「Pan-Tilt Indoor Cam」は、上下/左右の首振り、いわゆるパンチルトに対応した、屋内向けのネットワークカメラだ。 【写真】ATOM Cam Swingとの比較 ドアベルも含め多彩なラインアップを展開するRingのカメラデバイスだが、パンチルト対応のカメラは屋内屋外向けを問わず本製品が初ということになる。メーカーから製品を借用したので、レビューをお届けする。
従来の「Indoor Cam」にパンチルト対応の台座が合体
本製品の外観は、従来の屋内向けカメラ「Indoor Cam」のボディー下部に、パンチルトを行うための台座が合体したかのようなデザインになっている。スマホアプリからの操作によって、台座が回転し、さらに前傾および後傾する仕組みだ。 一般的なパンチルト対応カメラは、向きを変えても目立たないよう、ボディーが球形になった製品も多いが、本製品はボディーがダイナミックに可動するため、カメラがどちらの方向を向いているのか、遠目にも一目瞭然だ。筆者もこれまでさまざまなネットワークカメラを見てきたが、ここまで大胆に動作するパンチルト対応カメラは珍しい。 本製品はプライバシー対策として、カメラのレンズを覆うカバーも搭載している。従来のIndoor Camにもあった機構だが、バネによって開閉がより行いやすいよう改良されており、使い勝手はよい。ただし、樹脂製ゆえのチープな感触は相変わらずだ。 なお、このプライバシーカバーは手動でしか開閉できず、アプリからのリモート操作で開けることはできない。目的を考えると当然の仕様なのだが、うっかり閉めたまま外出すると帰宅まで映像が見られなくなるので要注意だ。
パンチルト以外の機能は従来の屋内向けモデルとほぼ同一
セットアップにあたっては、まずスマホで「Ring」アプリを開き、QRコードを読み取って製品を認識させる。そこからはアプリの指示に従うだけでよい。 手順としては至って普通で迷うところはないが、Ringのカメラの場合、初回のセットアップ時点であらゆる項目を設定するため、かなりの時間がかかる。他社製品が、詳細な設定は後回しにしてまずは基本設定だけで使えるところまで持って行くのとは対照的だ。取り付け作業を含め、余裕のある時に作業することをお勧めする。 アプリの機能は、従来の屋内向けモデルとほぼ同一だ。ホーム画面に並ぶカメラ一覧の中から本製品をタップすると、保存済みの映像を表示したり、あるいはライブ表示に切り替えたりすることができる。マイクを使って呼びかけたり、サイレンを鳴らしたりする機能についても、従来の屋内向けモデルと変わらない。 画角についても、従来の屋内向けモデルとほぼ同じとなる。一般的にパンチルト対応のモデルは、本体の向きを自由に変えられることから、カメラ自体の画角は狭めであることが多いが、本製品はそうしたこともない。ナイトビジョンの感度についても、これまでの屋内向けモデルと違いは感じられないので、共通の部品を使っていると考えられる。 パンチルト以外で唯一大きな違いは、設定画面の「プライバシー設定」にあったプライバシーマスク機能がなくなっていることだ。これはカメラの角度が固定であることを前提に、カメラが映すエリアの内、特定範囲を記録されないようにする機能なので、パンチルト対応の本製品で省かれたのは理解できる。 競合製品との比較ではどうだろうか。現在市販されている製品の中で本製品に比較的近いのは、アトムテックの「ATOM Cam Swing」あたりだろう。こちらは屋外利用にも対応する他、ナイトビジョンがカラーに対応するのが大きな相違点だが、同じくパンチルトに対応しており、ボディーサイズも非常に似ている。 実際に両者を並べて操作してみたが、機能面でもよく似ており、画角もほぼ同等だ。さらに後述するパンチルトの操作方法もよく似ている。メモリーカードへの録画にも対応するATOM Cam Swingに対して、本製品はクラウド録画のみであるなど細かい違いは多数あるのだが、パンチルト対応という条件で探すならば、この両者で比較検討することもありそうだ。