世界を目指すピザチェーン、ピザ製造システムの導入で「ピザ職人」が不要に
遠藤優介社長は、10代のころにイタリアのサッカー・セリエAのユベントスのユースチームとプロ契約し、イタリアに渡航。本場のピザに感動し、ナポリのピザ店などで職人の技を覚えたという異色のキャリアの持ち主。 本格的なピザを日本に伝えたいと、帰国後の2013年5月、ナポリ吉祥寺店をオープンした。はじめから職人技で勝負するつもりはなかった。「ピザ職人を一から育てるのでは時間がかかってしまう。ならば、職人の技をシステム化し、誰にでも作れるようにすれば良い」と考えたという。 同システムの開発には、遠藤社長のほか久慈塁工場本部長も加わった。久慈本部長の名刺には、エグゼクティブピッツァイォーロ』の文字が記されている。ピッツァイォーロとはピザ職人のことだ。「職人としてのこだわりは持ってますが、ピッツァの文化をより広めたいと考えた時に、しっかりした職人を育てるよりも、誰でも出来るシステムを構築する方が近道です」という。 同社は「世界的なブランドになる」としており、「ナポリ」が4月中旬に香港、7月にハワイ・ワイキキに出店する予定。「ナポリス」は7月にベトナム3号店の開店を準備している。ピザの文化を世界に広めるのは、ピザ職人ではなく、ピザ職人の経験や勘を実装した機械なのだ。 (取材・文:具志堅浩二)