Jは2ステージ制を復活すべきか
当時から日程が一番の問題だった。開幕前のゼロックススーパーカップ、第2ステージ終了後にはチャンピオンシップを2試合開催する日程を考えると、どうしてもウイークデーの水曜日開催が多くなった。現状ではウイークデーの試合が3、4つ増えるでしょう。今も過密気味の日程なのに、選手のコンディション管理がますます大変なことになる。それこそターンオーバー制を採用できるような、25人前後の選手の実力が平均していて、高い年俸を支払えるビッグクラブじゃないと生き残れなくなるかもしれない。チームの経営は相当しんどいものになる」 第3代チェアマンとして1ステージ制を整備・発展させてきた鬼武健二氏も「個人的にはするべきじゃないと思う。何をいまさら、という感じもある」と反対を唱えるが、一方で今年のJ1の試合を取材していると、現状のままではどうしても「ジリ貧」の感をぬぐえない。 たとえば今シーズン、横浜F・マリノスがチーム記録を更新する開幕6連勝をホームの日産スタジアムでマークした、4月13日の川崎フロンターレ戦における観客数は快晴無風にもかかわらず約2万7000人。当時は首位を快走しながら、約7万2000人収容のスタンドからはむしろ寂しさが伝わってきた。勝てばファンが集まる、という方程式も通用しなくなっているのが現状だ。 個人的な意見を言えば、1994年1月のヴェルディ川崎対アントラーズを筆頭に、独特の緊張感の中で行われるチャンピオンシップはしびれるカードばかりだった。一般のファンの目を向けさせ、現状を打破する起爆剤になる可能性を秘めているとも思う。 だからこそ、改革なくして成長なし。過密日程を極限まで回避した上で、いかにして興行としての質を高められるか。Jリーグの大東チェアマンは「早めに結論を出したい」とした上で、こう力を込めた。 「何かを打破して、変えていくくらいの気持ちがないといかんと思っています」 今後はJ1の全18クラブが2ステージ制復活による効果を精査し、6月11日のJ1実行委員会で導入の可否を議論する。あるJ1クラブの幹部は「現状がこんなわけですから、議論するのは非常にいいことだと思う」と前置きした上でこう続けた。 「14日の実行委員会で初めて(2ステージ制を)言われたチームもある。来年からやるとなれば、やっぱり8月くらいまでには(詳細を)決めないと」 残された時間は多いようで少ない。タブーなしの議論が求められる。