「これは革命だ!」トヨタグループの豊田合成が作ったゴルフギアを片山晋呉が絶賛する理由
「コレを見れば、打球が曲がるヤツがすぐわかるね!」「コレ、見てくださいよ。片山さんの体重移動が綺麗な一本線になっている。前後動がほとんどない!」「今年はコレをつかってアドレスの時にさ、左右の動きをチェックすべきだよ」 【画像】か、神業! プロが驚いた片山晋呉のブレのないショット 2月某日――宮崎市内のコースで行われた試打会に参加した片山晋呉(51)、勝俣陵(28)らプロゴルファーたちが、タブレットを覗き込みながらまるで子供のようにハシャいでいた。 彼らの言う「コレ」とは、スマートインソール『FEELSOLE』。トヨタグループの豊田合成が開発したゴルフギアである。レクサスの内装などを手掛ける同社が最先端の技術を駆使して作ったこのギアを「革命的なアイテム」だと片山プロは表現した。 「スマートフォンなどの普及で、ゴルファーたちはいつでも自分のスイングをその場で撮影し、確認できるようになりました。これはたしかに素晴らしいことなのですが、スイングは体重移動やボディバランスなど、“見えないデータ”も同じくらい大事なのです。 この“見えないデータ”を数値化してくれたのが、マットタイプのスイング解析機でした。世に出てきたのは今から3年ほど前。ただ、このスイング解析機には難点があった。地面にセンサーを埋め込んで計測するため、非常に高額。かつ、計測のために、スイング解析機が設置されたスタジオなどの施設に出向かねばならなかった。 ところが、『FEELSOLE』はインソールとして靴に入れるだけで、マットタイプのスイング解析機とほぼ同じデータが得られる。履くだけで、いつどもどこでも自分のスマホにデータを飛ばしてチェックできる。つまり、コースに履いていけば、ティーショットやバンカーショットなど、その場その場でデータをフィードバックできるわけです。野球やテニスなど、ほかのスポーツにも応用できるでしょう。画期的なアイテムですよ、コレは!」 片山プロと一緒に試打に参加した勝俣プロは「その場で購入しました」と白い歯を見せた。 「普段の練習から足裏のどこに体重をかけるか、体重配分を意識しています。スイングだけを見ても、狙った打球が打てるかどうかってわからないんですよ。唯一、地面と接している足は非常に重要なんです。どう体重配分するか、重心をどこに置くかでアドレスも変わってくる。ただ、スイング時の体重配分や重心の位置を調べようと思ったら、スジオまで行かなければならない。 ところが、『FEELSOLE』は野外で計測できる。まずそこにビックリしました。一球打っただけで、その場で自分自身でデータを確認できる。鳥肌が立ちましたね。ゴルファーならわかってくれると思いますけど、これってメチャクチャ意味がある。練習方法が劇的に変わると思いますし、練習効率もものすごく上がりますよ。コレで傾斜でのアドレスなどを研究すれば、いろいろなシチュエーションでのショットミスが減ると思います。マジでテンション、上がりました!」 日本ゴルフ界のレジェンドである片山プロが言っていたように、マットタイプのスイング解析機は販売価格が数百万円と非常に高額だが、『FEELSOLE』は5万円弱。少し奮発すれば手が届くお値段だ。さすがは世界のトヨタグループの開発力、といったところか。 そもそもなぜ、豊田合成はゴルフギアに目を向けたのか。 「豊田合成は樹脂・ゴムの専門メーカーで、研究開発部門にてセンサ機能を保有したゴムe-Rubberを開発しました。e-Rubberは柔らかい、薄い、軽いという特徴があり、形状の変形にも対応できるため、『インソールにすることで足圧から疾病推定やリハビリなどに使えるのではないか』と’19年から名古屋大学と共同研究を始めました。最終的にはヘルスケア用品市場に展開される製品なのですが、ヘルスケア用品として売り出すには、疾病との因果関係などのエビデンスを取るために時間がかかる。そんななか、開発チームのなかで『ゴルフ用品として転用できるのではないか』という声が上がった。ゴルフは各種スポーツの中で競技者人口が多く、市場も大きい。そこで、まずはゴルフ市場に投入してデータを取得し、実績を作ってみようということになったのです」(『FEELSOLE』正規販売代理店役員・弥栄氏) 『FEELSOLE』はパシフィコ横浜で3月8日~10日に開催されるジャパンゴルフフェアに出展される。プロたちはいったい何を絶賛しているのか。彼らと感動を共有するために現地で試してみてもいいかもしれない。
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