水俣病マイク切り…再懇談は「双方向の対話形式」 7月10、11日で最終調整 水俣市や長島町獅子島を訪問、8団体面会へ
伊藤信太郎環境相との懇談で患者・被害者側のマイクが切られ発言が遮断された問題で、環境省が7月10、11日の2日間にわたって再懇談を開催する方向で最終調整していることが分かった。28日の環境省職員と被害者団体「水俣病患者連合」のオンライン協議で明らかになった。 【写真】〈関連〉懇談会でマイクを切った国の対応に抗議する被害者団体関係者ら(左)=1日、熊本県水俣市の水俣病情報センター
伊藤環境相が熊本県水俣市や鹿児島県長島町獅子島を訪れ、5月1日の懇談会に参加した8団体と面会する予定。同省によると、双方向で対話できる場を目指す。会の形式や時間帯、参加する職員を調整している。 患者連合は再懇談のほかに、(1)水俣病対策に省内横断的に取り組むとして設置した「水俣病タスクフォース」職員の水俣市常駐(2)伊藤大臣を含め、水俣病に関わる全職員の被害発生地域での研修(3)国へ1日提出した要望書に対する検討経過説明(4)タスクフォースでの年間活動計画策定・公表-を要望した。 患者連合の永野三智さん(40)は「タスクフォースの最大の目的である再懇談の日程調整にここまで時間がかかるとは思わなかった。患者の不安は日々増している。長年、国に要望してきたことへの回答を再懇談の場でもらえるように注力する」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
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