英補選、野党・労働党が重要な議席を奪回-スナク首相の与党また大敗
(ブルームバーグ): 英国で2日投開票された下院補欠選挙で、試金石と見なされた議席を野党・労働党がスナク首相率いる与党・保守党から奪い返した。同日行われた地方選挙でも労働党の優勢が示唆され、政権奪取に向けて弾みを付けている様子だ。
不祥事による保守党議員の辞任で実施されたイングランド北東部ブラックプールでの下院補欠選挙は、労働党のクリス・ウェブ候補が得票率58.9%で当選を果たした。保守党候補は2位すら危うく、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票時に離脱を強く推進したナイジェル・ファラージ氏の政党「リフォームUK」の候補をわずか117票上回るに過ぎなかった。
今回の補選結果は前回選挙と比較して、保守党から労働党へと26ポイントの票の移動があったことを示す。労働党に流れた票の変動としては第2次大戦後3番目の大きさだ。過去1年に行われた補選でも同様の大きな票の動きが見られ、それが9カ月以内に行われる総選挙でも繰り返されるようなら、労働党のスターマー党首が政権交代を果たすことになる。
世論調査会社ユーガブの政治分析ディレクター、パトリック・イングリッシュ氏はブルームバーグ・ラジオに対し、補選結果は「世論が現在、保守党にどれほど厳しく、同党への支持がどれほど低いのかを劇的な形でまざまざと見せつけた」と指摘。「保守党の厳しい見通しを告げる内容だ。リフォームUKが保守党の脅威になり、票が食われ保守党の問題になることも示唆される」と述べた。
ロンドンなど主要都市の市長選も2日に行われ、開票作業が進む。結果発表は3日または週末になる見通し。
原題:Labour Wins Back Key UK Seat as Sunak Suffers Broad Losses(抜粋)
--取材協力:Rebecca Choong Wilkins、Alex Wickham.
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Joe Mayes, Isabella Ward