巨人・岡本和真、キングタイ3号で3冠!王貞治以来球団50年ぶり偉業へ 阿部監督「集中した打席をつくれば取れる」
◆JERA セ・リーグ 巨人9―4広島(12日・東京ドーム) 走り出す必要はない。左翼席へ勢いよく伸びる白球に目をやり、巨人・岡本和真内野手(27)は確信に満ちた表情でそっとバットを手放した。3点ビハインドの4回2死。1ボール2ストライクから九里の高め143キロの直球を捉えた。本拠地の大歓声を浴び、悠然とダイヤモンドを一周。「打てて良かった。集中して打てています」。2試合ぶりの今季3号ソロが反撃ムードを高めた。 【動画】岡本和真の3冠3号ソロ 開幕から全12試合に「4番・一塁」でスタメン出場し、7試合連続長打中と絶好調。3号でトップの森下、細川に並び、打率4割9厘、10打点を含め打撃3部門でリーグトップに立った。「試行錯誤してやっています」と、下半身の力をバットに伝えることを強く意識。日々進化を追求していることが開幕ダッシュにつながっているが、「毎打席何とかしようと思っていることが結果になっている」と、足元を見つめる。 阿部監督は主砲の存在感に最敬礼。「集中した打席をつくればね、3冠王を取れるんじゃないって僕は言っている」と巨人では74年の王貞治以来50年ぶりとなる3冠王の可能性に言及し、「それをどれだけ増やせるか。集中力を切らさずに打席に立てるかという、そこだけの勝負だと思います」と続けた。頼れる4番は「(3冠王とかは)シーズンの最後に」と、目の前の1打席に全力を注ぎ役割を全うするつもりだ。 主砲としてのパワフルな打撃だけでなく、主将として後輩への気配りも欠かさない。2月29日に遠征先の台湾で行われたウェルカムパーティーに出席した際、ドラフト1位・西舘と隣の席になった。高卒と大卒の違いはあるが、同じドラ1。重圧やプレッシャーは痛いほど分かる。だから、あえて野球だけではなく、趣味や日々の何でもないことを話題にして、リラックスさせた。西舘は「(岡本)和真さんは野球だけではなくて、たわいのない話、ゆるい話をいろいろしてくれた。ありがたかったです」と気遣いに感謝。主将なりの優しい配慮は、若手が生き生きと活躍するチームの土壌をつくっている。 岡本和に引っ張られるように、6回に打線が爆発して大逆転し、今季初の4連勝とした。「今回のような試合を増やして勝っていきたい」。勝利、その先に見据えるリーグ優勝のために、心強い存在であり続ける。(宮内 孝太)
報知新聞社