【独自解説】「やるしかない、2人分働ければいい」吉村洋文氏が『維新』代表・大阪府知事の“二刀流”へ意欲も、2025年は万博・参院選とハードスケジュール…険しい道を見据えながらも出馬決意したワケ
これまで、維新に対しては「政治を“変えてくれる”のではないか」というイメージがあった方も多いのではないでしょうか。これまで維新を支持してきた方の中には、このような“期待感”があったのだと思います。今回の会見では、この“変えてくれそう”という期待感を取り戻すことを意識したと思われる部分がありました。
それが、吉村共同代表が掲げた3つの『日本維新の会』の目的です。1つ目が「次世代のための政党」、2つ目が「道州制を実現する政党」、そして3つ目が、“政治とカネ”の問題がありましたが、「永田町文化を変える政党」ということで、やはり“変えてくれる”という部分を強く打ち出したといえると思います。
■看板奪われた“あの党”の存在 一方、維新の考えは『実がなる木が育つ土を耕す』
また、会見の中では、吉村共同代表が非常に意識している政党があると感じました。それが、『国民民主党』です。実は今回の衆院選後、維新の関係者からも、「維新の看板を国民民主党に持っていかれた」という声があがっていました。
選挙結果を見ても、維新は今回、前回から4割ほど比例票を落としています。一方、「政治を変えてくれる」という部分の受け皿になったとみられる国民民主党は比例では、前回の2倍以上の票を獲得しています。
今回の会見でも、吉村共同代表は「103万円の壁の議論、国民民主党が多くの支持を得たので、突破すると思う」という発言をしていました。一方で、維新としては、これから「目の前の手取りだけではなく、将来の世代のことも考えると、本丸は社会保障の壁だ」とも話していて、国民民主党を強く意識していると感じました。
また、吉村氏は会見で、「目の前のりんごの実をもぐのではなく、実がなる木が育つ『土』を耕す」ということも述べています。『りんごの実』は「手取り」ことだと思われますが、『実がなる木が育つ土を耕す』、つまりさらにその先の「将来を考えて動いていく」ということを強く訴えたかったのかなと感じました。
■万博・参院選などハードスケジュール予想も、「やるしかない」と意欲 今後のポイントは『共同代表』
ただ、一つ大きな課題として言われているのが、大阪府知事との職を両立できるのかということです。例年、年に4回、大阪府議会の定例会が行われますが、2025年はそれに加え、『大阪・関西万博』という大きなイベントがあります。万博は4月13日から半年間行われますが、その間は、各国の要人などをもてなすために、かなり多くの日数、万博会場のある大阪・夢洲に入ることになると言われています。さらに、夏には参院選がありますので、大阪府知事としての職務も行いながら、維新の代表として参院選を迎えることになり、「本当に両立できるのか?」という声が上がっています。
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