2025年も配信ドラマが超アツイ!1.9スタートNetflix「阿修羅のごとく」には注目している(桧山珠美/コラムニスト)
【桧山珠美 あれもこれも言わせて】 2025年がスタート。年末年始は最大9連休の人も多かったとか。昨年の新語・流行語大賞候補になった「もうええでしょう」がNetflixシリーズの7月配信「地面師たち」のピエール瀧演じる法律屋の後藤のセリフだったことからもわかるように、昨今、話題になるのは配信ドラマが多い。 【写真】映画「ビリギャル」で金髪ギャルの主人公を演じる有村架純 9月に配信された1980年代の女子プロレスブームを描いた「極悪女王」も話題をさらった。 そんな追い風の中で11月に配信されたのが有村架純と坂口健太郎ダブル主演の「さよならのつづき」だ。有村演じるさえ子はプロポーズされた日に交通事故で恋人の雄介(生田斗真)を亡くしてしまう。そんなさえ子の前に現れたのが坂口演じる大学職員の成瀬。彼は雄介の心臓を移植された人物。さえ子は見た目も性格もまるで違うのに雄介とどこか重なる部分が見え隠れする成瀬に引かれていく──岡田恵和脚本のロマンチックでせつなさ100%の物語だ。 監督の黒崎博。NHK出身で、「帽子」「火の魚」「太陽の子」など国内外の賞に輝いた作品の演出家。黒崎監督と岡田脚本、主演有村は朝ドラ「ひよっこ」トリオ。そんな3人がテレビではなく配信ドラマに居を移したのは時代の流れか。出演は他に三浦友和、イッセー尾形、斉藤由貴、中村ゆり……。このキャスティングもまた絶妙。主題歌はこのために書き下ろされた米津玄師「Azalea」だ。 恋愛ものなので好みは分かれるところだが、個人的には好きな世界で全8話一気見した。1話が終わってすぐに2話、続いて3話とサクサク見られるのが配信のよさ。
9日配信「阿修羅のごとく」に注目
ちなみに、楽しみなのは9日に配信される「阿修羅のごとく」(全7話一挙配信)。向田邦子の名作を是枝裕和監督がリメークする。舞台は原作と同じ1979年。ちょうど昭和レトロブームも相まって、話題を集めそう。年老いた父の愛人問題をきっかけに、4姉妹それぞれが本当の幸せに向き合っていく物語で何度もドラマ化、映画化、舞台化されている。 長女・綱子は宮沢りえ、次女・巻子を尾野真千子、三女・滝子を蒼井優、四女・咲子を広瀬すず。ほかに4姉妹の父に國村隼、母に松坂慶子、そして本木雅弘、松田龍平、藤原季節、内野聖陽、高畑淳子、夏川結衣、戸田菜穂……ぜいたくなキャスティングに期待は高まる。 2025年のラインアップをみると生田斗真主演「Demon City 鬼ゴロシ」(田中征爾監督)、草彅剛主演「新幹線大爆破」(樋口真嗣監督)、竹内涼真と町田啓太がダブル主演する「10DANCE」(大友啓史監督)とすごい。 昨年、脚本家の坂元裕二がNetflixと5年契約したことで話題になった。多くの才能がそちらに行ってしまうのは寂しい限りだが、だからこそ、今年はテレビの底力に期待したい。 (桧山珠美/コラムニスト)