テレビ放映で脚光浴びる宇宙服 鑑定番組で1300万円の評価 埼玉・加須未来館の目玉展示 1999年にロシアの宇宙飛行士が着用した本物の「ソコル宇宙服」
埼玉県加須市が所有するロシア製のソコル宇宙服が、17日に放映されたテレビ東京「開運!なんでも鑑定団」を機に脚光を浴びている。ソコル宇宙服は加須未来館(同市外野)の目玉展示品。同館は観覧無料で、来館者が続々と増えている。 アファナシェフ宇宙飛行士と秋山豊寛宇宙飛行士ら【写真2枚】
加須未来館は、宇宙への興味を育むことを目的に2001年4月21日に開館した。ソコル宇宙服は、ロシアのビクトル・アファナシェフ宇宙飛行士が1999年に宇宙で使用した本物。同宇宙飛行士は加須未来館にも来館した。 開館から23年が経ち、リニューアルを考えている同市。角田守良市長は「財源難が問題。一番のお宝であるソコル宇宙服はどのくらいの価値があるのか。知りたくてテレビ出演を決めた」と話す。すると鑑定結果は1300万円だった。 ソコル宇宙服はオーダーメードで、日本人初の宇宙飛行士・秋山豊寛さん(元TBS記者)も90年12月にソユーズ宇宙船でミール宇宙ステーションに行く際、着用した。その時の船長がアファナシェフ宇宙飛行士だった。 アファナシェフ宇宙飛行士が着用したソコル宇宙服は、当時、市が500万円で購入した。アファナシェフ宇宙飛行士は開館した年の7月29日に同館を訪れ、「喜びと幸せがいつも隣にありますように」とメッセージを寄せている。
角田市長は「ソコル宇宙服は市民の財産。展示は、おそらく国内では加須未来館しかないと思う。世界では、ドイツのシュバイアー技術博物館が展示している。テレビ放映を機に、ソコル宇宙服を一番目立つ場所に移した」と再評価した。 ソコル宇宙服は1973年に導入され、改良を重ねて現在も使われている。ロシア以外の国では、2003年10月に中国初の有人宇宙飛行となった神舟5号の楊利偉宇宙飛行士が着用している。さいたま市出身の若田光一宇宙飛行士も着ている。