【佐賀2024国スポ】弓道成年男子の近的決勝 福島県が21年ぶりの頂点
弓道成年男子の近的決勝は福島県と長野県の的中数が10―10で並んだ末、決着をつける競射で福島県が1射差の5―4で競り勝った。渡辺英史監督(53)=日新火災インシュアランスサービス、郡山市=は「集中力を切らさず挑んだ成果だ」と選手の精神力をたたえた。 天野正祥(31)=クレハ生産本部いわき事業所、いわき市=、古川航成(23)=シンク、会津若松市=、山口哲成(34)=西内工務店、南相馬市=の3人1組で臨んだ。前身の国体を含めて天野と山口は初、古川は最年少ながらも4度目の出場となった。互いの住まいが離れる中、仕事の合間を縫って月1、2回、会津若松市に集まり、強化に励んだ。間合いや呼吸を合わせることに重点を置き、信頼関係を築いていった。 予選5位で決勝トーナメントに進むと、1回戦、準決勝を連勝。決勝直前には天野が「ここまで来たらできることをやりきろう」と2人を鼓舞した。天野は4中、古川と山口がそれぞれ3中で長野県と同点に。1人1本ずつ放つ競射で勝利が決め、固い握手を交わして喜びを分かち合った。
近的で21年ぶりの頂点に立ったが、遠的は予選で敗れた。悲願の2冠に向けて腕を磨く覚悟だ。