米国債、ストリップス債の残高最高-年金基金が長期債購入拡大か
(ブルームバーグ): ゼロクーポンの割引債として販売される米国債、いわゆるストリップス債の残高が5月に4939億5000万ドル(約77兆6000億円)に達し、過去最高を記録した。米国の主要年金基金が長期債購入を増やした可能性が高い。
ストリップス債残高は43億ドル増えた。バークレイズのストラテジストによれば、先月の残高増加は、季節的な基準で見ると通常より大きかった。
バークレイズのストラテジスト、アンドレス・モク、デミ・フー両氏はリポートで、「予想より軟調な統計に加え連邦公開市場委員会(FOMC)のハト派的な判断を受けた長期債ファンドへの資金流入急増」を背景に5月の米国債リターンは上昇したと指摘した。
ストリップス債に対する関心の高まりは、投資家が長期債利回りに魅力を感じていることを示唆する。ストリップス債は証券会社などが米国債を元本とクーポンを切り離し、個別の証券として販売するもので、利回りの変化に対し最大のエクスポージャーを提供する。
ブルームバーグの指数によると、5月の米国債リターンは1.5%。別のブルームバーグ指数では、期間が10年以上の米国債は同月2.9%だった。景気減速の兆しや、今年に入り一時期見られた高いインフレ率がやや軟化する中、5月の利回りは大きく低下した。
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原題:Zero-Coupon Bond Pile Balloons to Near Half-a-Trillion Dollars(抜粋)
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Liz Capo McCormick