冬は自然に囲まれたおこもり宿へ──国内の穴場を厳選!
日常の喧騒から離れ、ゆっくりと過ごしたい。そんな人へ、本当は教えたくない穴場の“おこもり宿”を紹介する。アウトドアを楽しめるトレーラーハウスから、温泉宿、秘境の貸別荘など。どれも大自然に囲まれた贅沢なスポットだ。 【写真を見る】穴場スポットをチェック!
◼︎Earthboat Kitakaruizawa(群馬県・北軽井沢)/静かな森に囲まれたスタイリッシュなトレーラーハウス 雄大な浅間山の懐に抱かれ、ちょっとした秘境感の漂う北軽井沢の森の中で、ホテルのような快適性と本格的なアウトドアを両立する「Earthboat Kitakaruizawa」。いま話題の「NOT A HOTEL」の敷地内にあり、キッチン、トイレ、シャワー、そしてサウナまで完備したトレーラーハウスだ。キャンプの醍醐味でもある焚き火を本格的に楽しめるファイヤーピットも常設し、満天の星の下、揺らめく炎を眺めながら、時を忘れて自然の中に没入できる。 木質素材のCLTを使用することで、従来とは一線を画す耐久性と快適性を実現。断熱材などを使用せずに自然との調和を重視したサステナブルな空間は、2024年度グッドデザイン賞も受賞した。オプションで敷地内の日本料理レストラン「石朴」が利用できるのも手軽でありがたい。ひとりが寂しければ愛犬、愛猫と一緒の滞在ももちろん可能だ。 Earthboat Kitakaruizawa 群馬県吾妻郡嬬恋村大字大前字細原2286-338 1人1泊 ¥39,000~ ※2024年12月現在 https://earthboat.jp/list/detail/11 ◼︎MAOIQ(北海道・長沼町)/魂を解放する、見渡す限りの大自然に包まれた宿 札幌から車で約50分。北海道・長沼町の見渡す限りの自然の中にポツンと立つ、趣の異なる2棟の一棟貸し別荘。その1つが「MAOIQ」だ。オーナーは、SHIROが手がけた「MAISON SHIRO」にも空間プランナーとして参加した武隈洋輔。天井までのガラス窓から自然光が差し込む開放的な空間に、札幌のアンティークショップ「hotaru des hotaru」の洒落たヴィンテージ家具が並び、個人宅のような落ち着きとホテルのような快適さが同居する。 肌寒くなれば薪ストーブに火を灯し、自然を満喫しながら、好きなように過ごす。ここでは朝食付きプランが必須だろう。「POTORI BAKERY」のパンや「ハイジ牧場」のソーセージ、「卵ラン農場ムラタ」の平飼い有精卵、コーヒーはMAOIQにほど近い「丘の上珈琲」の自家焙煎豆。長沼の自慢の食材が創り出す朝の美味しいひとときだ。 MAOIQ(マオイク) 北海道夕張郡長沼町加賀団体 ☎0123-76-9226 1室1泊 ¥67,000~(2名利用時)※2024年12月現在 https://maoiq.jp/ ◼︎TAYUTA(熊本県・上天草)/誰にも邪魔されない、天草の海を見渡す隠れ家 海に囲まれたのどかな島、天草・樋合島。その海岸から1~2分の小高い丘に2024年9月にオープンした「TAYUTA」は、誰にも邪魔されず、誰の目も気にせずにひっそりとすごせる隠れ家のような宿だ。島全域が雲仙天草国立公園に指定されているため、建物は自然に溶け込む色調に抑えられ、切妻屋根など日本家屋の伝統と、時代に合わせたモダンさを融合したシンプルでシックなデザインだ。 ウェルカムドリンクで長距離移動の疲れを癒していると、目の前に広がる内海ならではの静かな海と島々の絶景が、あくせくするなと語りかけてくるようだ。源泉かけ流しの湯に身を委ねたあとは、渡り蟹、トラフグ、熟成クエ、黒アワビ、天草大王、船小屋牛など、旬を迎えた冬の食材を揃えたディナーが至福の時間へと誘ってくれる。 TAYUTA 熊本県上天草市松島町合津7488-1 ☎050-1706-5284(受付時間10:00~17:00) 1人1泊 ¥88,000~(2食付)※2024年12月現在 https://amakusa-tayuta.com/ ◼︎大谷山荘(山口県・長門)/川のせせらぎと四季の景観とともに老舗宿の名湯に浸かる 山口県の谷あいにある長門湯本温泉は、約600年もの長い歴史を持つ。その中でも昭和29年に開業し、天皇皇后表陛下(現・上皇上皇后両陛下)も宿泊されたという由緒正しき名宿が、「大谷山荘」だ。すぐ横に流れる音信川と豊かな緑に囲まれた老舗宿は、2023年にリニューアル。スイートルーム3室や、曙プレミアムと呼ばれる20室などが新たに誕生した。最も広い「大谷山荘スイート」は、広々としたリビングと2つのベッドルームのほか、セルフロウリュウができる本格的なプライベートサウナや露天風呂を完備。もちろん2箇所の大浴場も素晴らしく、露天風呂やジャグジー、ハーブバス、サウナ、寝湯などが備わり、四季折々の景観を眺めながらゆったりとした温泉に浸かることができる。 夕食は地元・山口の旬の食材をふんだんに使用した本格会席料理や、黒毛和牛や海の幸を味わえる鉄板料理を。また、食事の前後や湯上がり後には、館内のショップに立ち寄るのもおすすめだ。長門湯本が育んだ伝統文化、萩焼深川窯の名匠や若手陶芸家の作品が常に並び、実際に手に取りながら選ぶことができる。近くには、県内でも最古の名湯として知られる立ち寄り湯「恩湯」から、ブルワリー、カフェなど、音信川沿いを中心に名所が点在。伝統と新しさが融合する温泉街でゆったりと至福の時を過ごしたい。 大谷山荘 山口県長門市深川湯本2208 1泊2食付き 27,500円~ (2名1室の1名料金 、サ込) ※2024年12月現在 https://otanisanso.co.jp/ ◼︎Wellis Villa Awaji(兵庫県・淡路島)/130年の時を重ねた日本家屋がプライベートヴィラに 淡路島の北東部、小さな港町の築130年以上の日本家屋を、明治期の建築ならではの重厚な木造の躯体を残しつつ、現代の技術によって洗練された一棟貸しの宿に蘇らせた。約1300㎡もの敷地に広がる喧騒とは無縁のプライベートリゾートは、個性あふれる5つのゲストルームと50畳を超える開放的なリビング、プール、露天風呂などを備える。 明治時代から残る庭園は、ベテランの職人によって端正に手入れされている。和の趣きがどこか懐かしく、海からの風に優しく揺れる木々が心地よさを演出する。最大20名までの宿泊に対応する日本最大級のプライベートヴィラでは、気のおけない仲間を集めての年末年始のパーティを企画。専用グリルコーナーでのBBQに加え、芦屋、京都、奈良などから一流シェフが出張してくる「お届けリストランテ」のサービスもあり、おいしい料理に囲まれて仲間との話は尽きない。 Wellis Villa Awaji 兵庫県淡路市仮屋13-1 1棟1泊 ¥199,000~(2~4名利用時)※2024年12月現在 https://villa.wellis.jp/
文・熊野由佳、橋田真木(GQ) 編集・橋田真木(GQ)