巨人4季ぶりV奪回の"MVP" ベテラン菅野智之の復活につながった「悪癖改善」光った「リーダーシップ」
4季ぶりV奪回に貢献したのは投手陣の柱として復活したベテラン・菅野智之にもある。 【動画】打つのも任せろ!小林が3シーズンぶりに放ったホームランシーン 今季は35歳シーズンでハーラートップの15勝と、堂々たる成績を残している。 4年ぶり39度目リーグ制覇を決めた9月28日の広島戦では、8回119球を投げて1失点の好投。大事なマウンドで貫録のパフォーマンスを示し、歓喜の瞬間を力強く引き寄せた。 近年はコンディション不良に悩まされ、特に昨季は開幕投手に指名されながら、登板回避、キャリアワーストの4勝と試練の年となった。 迎えたプロ12年目の今季。まずは現役もともにし、新指揮官である阿部慎之助監督の心配りが光った。 最近はバッテリーを組む機会が減っていた「スガコバ」バッテリーを復活。同年代で気心の知れた小林誠司とコンビを組ませることでベテランの復活につなげた。 また元から制球力には定評がある投手。しかし制球力があるゆえに近年は細かくコーナーを狙い過ぎて、四球を増やす、リズムが悪くなるという"悪癖"も指摘されていた。 だが今季は持ち味の力強い直球が戻ってきたことでテンポ良い投球が復活。女房役の小林のたくみなリードで多彩な変化球も交え、勝ち星を積み重ねた。 当初は「木曜日の男」だったところを、夏場を迎えて「日曜日の男」にローテ変更。勝負どころの9月に入ってからは中4日登板もこなすなど、まさにフル回転の活躍。投手陣のリーダーとして先頭に立ってチームを引っ張る姿勢が光った。 エースとしての矜持を示したのは天王山とされた9月22日の阪神戦(甲子園)の内容にもあった。試合は才木浩人との投手戦となる中、3回に先制点を許した。打線の援護がない中、粘り強く投げ、続投を志願し続けた。 7回一死では自らで中前打をマーク、塁上ではベンチに向かって両手を掲げて"もっと盛り上げろ!"のポーズを取った。ファイティングポーズを崩さない姿勢でナインを鼓舞し続けたのだ。結果として敗戦投手となったが、8回1失点、今季最多の125球の力投でチームに勇気を与えた。 近年はコンディション不良が続いたことで、自身の野球人生も考えたとされる。しかし迎えた2024シーズンでは見事、復活。菅野、戸郷翔征、山崎伊織の先発3本柱が4季ぶりのリーグ優勝に大きく貢献、投手王国再建を強く印象づけたことは間違いない。 ベテランが先頭に立つチームは強い。この先は目指す日本一まで腕を振り続ける。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]