「ディア・ファミリ-」〝家族決起会見〟 「雨はデフォルト」大泉洋が怪気炎
医療機器開発の実話を基にした映画「ディア・ファミリー」(毎日新聞社など製作委員会)の完成報告会見が24日、東京・明治記念館で行われた。月川翔監督のほか、主演の大泉洋と妻役の菅野美穂、3人の娘を演じた福本莉子、川栄李奈、新井美羽と映画の中の5人家族が勢ぞろいした〝家族決起会見〟。映画で不屈の父親を演じた大泉は、会見でも独壇場。サービス精神いっぱいで、会場を大いに盛り上げた。 【写真】「ディア・ファミリー」の完成報告会見で、身を乗り出して場を盛り上げる大泉洋(中央)と菅野美穂(右)、月川翔監督
娘の死乗り越えカテーテル開発
外はあいにくの雨。開口一番、大泉は「私にとっては安定の雨。幸先のよいスタート」。〝雨男〟として知られるだけに「やる気とともに雨脚も強くなってます」。妻役の菅野も「クランクインの日も、たしか雨。〝雨降って地固まる〟でいきましょう」と息の合ったところを見せていた。 映画は、現在も世界中の医療現場で使われているカテーテルを開発した町工場の経営者と家族がモデル。大泉が演じた父親の宣政は、次女佳美が心臓の難病のため10年しか生きられないと知り「人工心臓を作ってやる」と宣言。医療は素人だったが医師や学者に話を聞き、私財を投じて大学と共同研究に乗り出す。苦闘の末に佳美は助けられないものの「自分の命はもういいから、たくさんの人を救ってあげて」と託される。
諦めない強さ描く 娘亡くすだけの物語ではない
「佳美はどうしたらあの一言が言えたのか、知りたかった。自分も娘がいてつらい撮影になりそうだったが、娘を亡くすだけの物語ではなく、演じる意義があると思った」と出演の動機を語った。モデルとなった人物にも会い「全然自分には似てないが、父親とは共通したものがあると感じた」という。「自分たちの世代と違って、何もない時代を経験しているから、なせば成るの精神で諦めない強さがある」 菅野は大泉と初共演。「明るいパブリックイメージ通りの人。ヒョウヒョウとしたたたずまいは大泉さんしか出せない。宣政に親しみがわくのは、大泉さんの持ち味かな」。大泉も「予想を突き抜けて明るかった。控室の笑い声で、菅野さんが来たことが分かる。そのおかげで、きょうも頑張ろうと思える。歩くパワースポットでしたね」。