職権関連法改正巡り多くの抗議者 頼総統「国会は重視すべき」/台湾
(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は25日、フェイスブックを更新し、国会職権関連法改正案の審議を巡って24日に台北市の立法院(国会)周辺に多くの抗議者が詰めかけたことについて「国会はこれらの声を重視し、迅速に正常な運営を取り戻すべきだ」と語った。 立法院院会(国会本会議)では24日までに、人事同意議案の採決を記名投票式にすることや議会侮辱罪に関して公聴会で虚偽の陳述をした場合に最高20万台湾元(約97万円)の過料を科すことなどを盛り込んだ条文が第2読会(3段階審議の2番目)を通過した。残る条文の審議は28日に行われる。 頼総統は、日中から深夜まで立法院の外側には万単位の人々が集まり、市民社会のパワーを示したと強調。みんなが「立法院の議事運営は手続き上の公正性を保つべきだ」との信念を持っていたとし、法案の審議では異なる意見に対して十分な話し合いがなされるべきであり、強行採決で話し合いの機会を奪ってはいけないと持論を述べた。 また国家権力は分立してバランスが保たれるべきで、人民の基本的権利は保護されなければならず、みだりに侵害してはならないとの認識を示した。人々が理性的に声を上げ、若者たちがパワーを示したことは台湾の民主的価値だと主張。団結を深めてこそ難関を克服できると述べた。 頼総統は、抗議者一人一人や与党・民進党の立法委員(国会議員)らに対し、台湾の民主主義の価値を守ったとして感謝を表明。「今後もわれわれは手を取り合い、団結して、挑戦の中で民主主義のために声を上げ、たゆまず努力し、共に台湾を守ろう」と呼びかけた。 (温貴香/編集:齊藤啓介)