罪を犯した人の更生をサポート『保護司』 善意に支えられた活動は「ボランティア」 殺害された保護司の支援受けた男性は「すごい大事な人を失った」
今も時々読み返す手紙。道を踏み外し続けた自分を見て、責任を感じていた新庄さんの思いがつづられていました。 【新庄さんの手紙】「人の人生は、それぞれ自分の人生ですから、基本的にはあなたの考えや行動を是として認めてきました。否定すると、あなたが心を開いて話してくれなくなると不安もありました。しかし今はダメなことはダメとしっかり伝えるべきだと思っています」 【谷山真心人さん】「手紙をくださったりとか、面会に来てくださったりとか、本来、保護司としてしなくていいことなんですよ。それをわざわざしてくれるのは、本当に僕のことを思ってというか、『この人は裏切ったらあかんのかな』って、そういうことをしてくれた時に思いますよね」 「なんかすごい大事な人を失ったって思いますね」
■保護観察の不満をSNSに投稿していた飯塚容疑者
新庄さんに救われた人がいる一方で…。 飯塚容疑者が新庄さんの支援を受けるようになったのは5年前のこと。コンビニから現金をうばった強盗事件を起こし、保護観察が付いた執行猶予5年の判決を受けたことがきっかけでした。 新庄さんの依頼を受け、飯塚容疑者に仕事を紹介した男性は、紹介した仕事を2カ月で辞めた飯塚容疑者の様子を、こう振り返ります。 【飯塚容疑者に仕事を紹介した人】「自分に対する評価が納得できない(と飯塚容疑者は言っていた)。ちゃんと仕事をしたのに評価してもらえないという不満があったんではないかな」 Q.新庄さんは2カ月で辞めたことについて何と言っていた? 【飯塚容疑者に仕事を紹介した人】「長続きしないところがあるなと」
飯塚容疑者のものとみられるSNSのアカウントには、仕事場への文句が頻繁に投稿されていて、職を転々としていたとみられます。さらに…。 【飯塚容疑者のSNS】「保護って言葉は要注意ワード」 「保護観察とか~。全然保護しない」 保護観察への不満とも取れる投稿が目立ちます。
■「うまくいかないケースを保護司任せにするのは問題」と専門家
飯塚容疑者のように施設や刑務所に入らずに、執行猶予の判決を受けて保護観察となるケースは、大きな問題点が指摘されています。 少年院を仮退院したり、刑務所から仮釈放を許された場合など、対象者に社会の中で更生する意思があるか、保護観察官らが事前に聞き取り調査を行います。 しかし、より罪が軽く、裁判所から保護観察付きの執行猶予判決を言い渡される場合は、事前の聞き取りがないまま保護司につなげられます。 さらに、保護観察の期間も3年から5年と長期に渡る傾向にあります。