【パジェロ譲りのリアサスで勝負】チーム三菱ラリーアート参戦取材会
増岡総監督の個別インタビューも
昨年、発売直後の新型トライトンで2連覇に挑んだものの、ほぼ量産車と同じ仕様だったこともあり、ポテンシャルを十分引き出すことができなかった。 そのため、今年のトライトンのT1仕様(改造クロスカントリー車両)は、昨年の参戦結果を振り返り、高速ステージで大排気量の競合車に対抗できるように動力性能を大幅に向上。トルク容量の大きい競技用トランスミッションを新たに採用し、耐久性と操作性を向上させた。 また、トレッドを拡大しつつ、リアサスペンションをリーフスプリング式からコイルスプリングを用いた4リンクリジッド式に変更。荒れた路面からの大きな衝撃を吸収し、凹凸の激しい路面での追従性を高めることで悪路走破性を大幅に向上させている。 増岡総監督への個別インタビューが可能だったので伺ってみたところ、篠塚建次郎さんが1997年に日本人初のパリダカ総合優勝を達成した際にドライブしたパジェロのリアサスペンション・ジオメトリーをトライトンに採用したそうだ。 このリアサスは新型車にも展開できるかもしれないし、AXCRに参戦することで環境への配慮や使いやすさに関するノウハウをさらに蓄積することで、ディーゼルエンジンをより長く使えるようになるかも、とも話してくれた。 また、ディーゼルエンジンを活用してのPHEVとしての可能性や、ゆくゆくはモータースポーツで得たノウハウを盛り込んだコンプリートカーを提供したいとも考えているそうだ。
高桑秀典(執筆/撮影)