唐十郎と劇団唐組を追いかけたドキュメンタリー映画「シアトリカル」17年ぶりに再上映
5月に死去した唐十郎を追悼し、ドキュメンタリー映画「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」が約17年ぶりに東京・ポレポレ東中野ほか全国で再上映される。 【画像】映画「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」場面写真(他8件) 2007年公開の映画「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」は、2006年秋の新作戯曲の執筆から2007年春の公演初日まで、唐と劇団唐組を追いかけたドキュメンタリー。芝居作りにかける唐の“偏執ぶり”や、唐と若者たちの情熱が捉えられた本作は、ドキュメンタリー監督・大島新の映画デビュー作でもある。 追悼上映に寄せて、大島は「20代から30代半ばにかけて、ずっとテレビで人物ドキュメンタリーを撮ってきた。それらの仕事のなかで、『本質に迫れていない。撮り足りない』と初めて感じたのが唐十郎さんだった。だから、映画化を企画した。テレビでは出来なかった二つの目標があった。一つは『唐十郎は唐十郎を演じているのではないか?』という疑惑を解き明かすこと。もう一つは、劇団員の芝居にかける思いを描くこと。撮影も編集も演出においても、初めて思い切りバットを振った。この作品が、作り手としての私をそれまでと違う場所に導いてくれた」と振り返り、「唐さん、劇団員のみなさん、ありがとうございました。本作が時代を超えて多くの人の目に触れ続けることを、心の底から願っています」と思いを語った。 「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」は、ポレポレ東中野で12月14日から28日まで上映される。そのほか、神奈川・横浜シネマリン、愛知・シネマスコーレ、大阪・第七藝術劇場、兵庫・元町映画館、岡山のシネマ・クレール、長野の長野相生座・ロキシー、大分・別府ブルーバード劇場などでも順次上映される。 (c)いまじん 蒼玄社 2007