小泉孝太郎、天才画家・田中一村と小泉家の秘話明かす「祖父が後援会長を務めていた」
俳優の小泉孝太郎が9月18日、東京・上野の東京都美術館にて明日から開催される画家・田中一村の大回顧展「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」(~12月1日)開会式に登壇した。 【写真】田中一村の最高傑作《アダンの海辺》の前に立つ小泉孝太郎 国内最多のコレクションを誇る田中一村記念美術館の全面的な協力により、幼年期から最晩年まで250点を超える作品が一堂に会する展覧会。同展のアンバサダーと音声ガイドナビゲーターを務める小泉は、主要作品のひとつである《不喰芋と蘇鐵》をモチーフにした世界に一着しかない大島紬の着物を着用してフォトセッションと開会式に登壇した。 「個人的には田中一村さんとのとても不思議なご縁や巡り合わせを感じながら、気持ちを込めて音声ガイドを務めました」という小泉。 「僕は幼い頃から、私の父(元内閣総理大臣の小泉純一郎氏)や叔父や叔母から、田中一村さんという画家のことを聞いていた」と切り出し「もう約一世紀近く前のことだと思うが、私の曽祖父の小泉又次郎(政治家)が田中一村さんの後援会長を務めていた。そういうことを子どもの頃から聞いていたので、まさか約一世紀近い時を経て、小泉家に生まれた僕が田中一村さんのお仕事に携わることができるとは思ってもいませんでした」と驚きの事実を明かした。
小泉は「本当に驚きましたし、光栄なお仕事をいただいたと思って、気持ちを込めて声を吹き込みました。ぜひ音声ガイドも聞いていただけたらうれしい」とアピール。 特別にあつらえたという大島紬の着物に「この日のために作ってくださったお着物。奄美大島の空気や風を感じましたし、田中一村さんの絵画をまとわせていただいたような温かい気持ち」と目を細め、初の音声ガイドナビゲーターに「普段口にしないようなことをしっかりと発しないといけないので難しかった。子どもの頃から田中一村さんの絵は目にしているんですけど、比較的晩年のほうの絵だったので、初期の頃から見させていただいた。個人的には自分の実家にソテツの木が植えられていて、奄美の大自然の海やパパイヤ、ソテツが描かれている絵がたくさんあって見入ってしまった」と感想を述べた。 最後に小泉は「こちらに展示されている絵画は250点くらいとお聞きしたんですけど、おそらくそれよりもはるかに多い。絵画だけではなく、田中一村さんが残された写真や直筆のお葉書、珍しい領収書なども残っているので、思う存分田中一村さんがどういうふうな活躍をされ、どういう人だったのかが感じられる素敵な絵画展。奄美大島に思いを馳せたり、初期の頃は千葉県でこういうふうに暮らしていたんだなとか、ものすごく努力もされた方だと思うので多くの方に田中一村さんの魅力を感じていただきたい」と呼びかけた。