英中銀、政策金利4.75%で据え置きの公算-追加緩和に慎重姿勢か
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は19日、今年最後の金融政策委員会(MPC)の金融政策決定を公表する。成長が勢いを欠く一方、インフレも根強く残るスタグフレーションの不安が英経済を覆う状況で、2025年の利下げが緩やかなペースにとどまるという投資家への慎重なメッセージが発せられることになりそうだ。
市場とエコノミストは、今週までに開かれたMPCで、政策金利を現行4.75%で据え置く決定が行われたと想定している。ロンドン時間19日正午(日本時間同午後9時)に政策決定が発表される。
ベイリー総裁や他の政策委員らは、内外で残るインフレの脅威を前提に慎重なトーンを示す可能性が高い。トランプ次期米大統領のホワイトハウス復帰に伴う世界的貿易戦争のリスクと、英予算の影響を巡る不確実性が見通しに重くのしかかる。
英中銀は8月に続きと11月に政策金利の引き下げを決めた。ベイリー総裁は、四半期に一度の利下げペースが今後も継続される公算が大きいと今月示唆した。
だが賃金上昇率が予想を上回り、サービスセクターのインフレも高止まりする中で、トレーダーらはここ数日で金融緩和を見越す投資を縮小した。来年の利下げはわずか2回しか織り込まれておらず、金融政策が勢い欠く景気の妨げに引き続きなりかねない。
エコノミストは、金利据え置きを支持する意見が8対1で優勢とみており、サプライズ利下げの確率はほぼゼロに近いと考えられている。
原題:BOE Set to Skip Rate Cut as Stagflation Looms: Decision Guide(抜粋)
--取材協力:Greg Ritchie、James Hirai、Aline Oyamada.
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Tom Rees