兵庫知事選で惨敗の維新 投開票日と同日告示の代表選は勢い感じられず
県議団も一枚岩でなかった。関係者によると、無所属の清水氏への支援を強制しないよう求める声が出た。選挙戦では一部県議が斎藤氏支援に回り、岸口実団長は20日、記者団に「清水氏を応援してもらえると思っていたが、随分と温度差を感じた」と吐露した。
令和3年知事選で推薦し、不信任決議を経て返り咲いた斎藤氏との距離感について、岸口氏は「(1期目と)全く同じわけにはいかない。合うところは合わせ、われわれの思いは伝える」と強調した。
吉村氏は不信任決議をした責任について「なかったことにはできない」として、兵庫維新に総括を求める考え。24日の会合で自身の考えを述べるとしており、議論が紛糾する可能性もある。
■代表選候補、党員以外にも周知
維新の代表選が告示されたのは、兵庫県知事選の投開票日と同じ17日だった。日程は10月の衆院選敗北を受け、早期に代表選を実施すべきだと判断した党執行部が段取りをつけたが、斎藤元彦氏の猛追で結果が注目された知事選と重なり、スタート時から埋没した感は否めない。
維新は衆院選で議席を公示前の43から38に減らし、地域政党「大阪維新の会」大阪府議団を中心に、維新の馬場伸幸代表の責任を追及する声が噴出した。
10月末の維新常任役員会で代表選実施の方針が固まり、12月1日に臨時党大会を開き、投開票を行う案が浮上。今月6日の常任役員会で17日告示、12月1日投開票の日程を確認した。
常任役員会の出席者によると、代表選の日程協議について「臨時党大会をいつ開き、いかに早く代表選を実施するかが議論の中心で、12月1日から逆算して告示日を決めた。兵庫県知事選と重なるといった指摘は出なかった」と明かす。
維新関係者は、党員のみが投票できる選挙の論戦について「盛り上げるのは難しい」と認める。その上で「選挙期間は2週間ある。投票権を持つのは党員だが、維新の今後のあり方は党員に限らず、広く知ってもらったほうがいい」と強調し、オンライン討論会を中心に各候補の主張を周知する考えを示した。(山本考志、喜田あゆみ)