先日、投票立会人というのを初体験したら鳥人間に会った。 といっても意味不明ですね。選挙のときに、公平性を確保するという投票立会人になった。年を食うと回ってくる地元の役回りで、私も含めて高齢者ばかり。でもそこに一人、18歳の大学生Oさんがいた。 区から立会人募集の通知が来て、申し込んだら即任命されたらしい。「新成人全員に案内が来ると思ってた」と言うけど、そんなことないはず。何か選考があったと思うな。 何にしても生まれて初めての選挙で立会人をやってみようという、積極性と好奇心がすてきだ。近所に住んでいて、共通の知人もいた。あれこれ雑談するうちに、部活は何をやっているのかという話になり、聞いた私は思わず聞き返していた。 「鳥人間部ぅ？」 手作り飛行機で琵琶湖に飛び出すあの競技。日本テレビ系で毎年恒例の「鳥人間コンテスト」が放送されているのはもちろん知っているが、やっている人に会うのは初めて。 選挙のときはまだ飛行機を作っている最中だった。1年生のOさんは当日の担当も未定だったけど、「少しぐらいは映るかもしれません」というので視聴を約束した。 で、4日放送の「鳥人間コンテスト2024」を見ることになった。久しぶりだったけど、競技が恐ろしくハイレベル化している。人力プロペラ機部門の大会記録が69キロって、どういうことなのか。琵琶湖の全長を超えていないか。 仮装して落っこちて面白い…とかは昔話で、今や全チームがガチ勢。機体の形状も洗練されているし、トレーニングだって全身全霊。こんなに本気なら、確かに部活動でもおかしくないよね、と納得。 Oさんが所属するチームの滑空機は、風が難しい時間帯のフライトで飛行に失敗した。パイロットが号泣するシーンがちらっと放送されたけど、彼は映らずじまい。残念だったね、とメールしたら「次こそ良い記録出るように全力尽くします！」と元気いっぱいの返事が来た。（ライター　篠原知存）