南稜高卒業生、自作焼酎で20歳の乾杯 「醸造」学ぶ恒例行事、卒業式に蔵入れ
あさぎり町の南稜高食品科学科を2023年3月に巣立ち、20歳を迎えた卒業生が4日、在校時に仕込んでおいた米焼酎で、念願の乾杯を果たした。 地域ブランドとして国が認める球磨焼酎の産地にある南稜高は05年、全国でも珍しい「醸造」科目を開設。3年生が校内の施設で毎年、焼酎の醸造実習に取り組む。卒業式の日に瓶詰めして「蔵入れ」した実習の成果を、20歳の節目で舌で確かめる「蔵開き」が恒例行事となっている。 この日は、卒業生27人のうち21人が、振り袖やスーツに身を包んで母校を訪問。約2年間寝かせた焼酎を人吉球磨地域に伝わる酒器「ガラ」と「チョク」で味わいながら、思い出話に花を咲かせた。 あさぎり町出身の会社員、濱田漣仁さん(20)=益城町=は「実習は専門的な知識が必要で、難しかったのを覚えている。米の香りがすごく伝わって、おいしかった」と満足そうだった。(井田真太郎)