【明治神宮大会】横浜V、背番号1奥村頼人が9回1死で緊急リリーフ「少しホッとした気持ち」
<明治神宮大会:横浜4-3広島商>◇高校の部◇決勝◇25日◇神宮 横浜(関東・神奈川)が広島商(中国)に勝利して西武、レッドソックスなどで活躍した“平成の怪物”ことOBの松坂大輔氏(44)を擁した97年以来、27年ぶり2度目の優勝を決めた。 ◇ ◇ ◇ 横浜の背番号1、奥村頼人投手(2年)がやはり、最後にマウンドにいた。 2点差に迫られた9回1死で、左翼から緊急リリーフ。内野ゴロの間に1点差にされたが、最後は低めにすーっと来る142キロで空振り三振。捕手側に駆け寄り、飛び跳ねた。「少しホッとした気持ちが一番ありましたね」。秋の王者になって、笑顔を見せた。 後輩の織田翔希投手(1年)が、2年後のドラフト上位候補といわれるだけの素質をこの秋、存分に見せつけた。大一番での織田の先発が増えた。先輩左腕は「悔しい部分はあったんですけど、勝つことを優先して」とし「織田が限界で交代になっても、自分にバトンが渡っても最後までしっかり投げきることを」と、試合中も外野でずっとイメージを膨らませてきた。 名門で成長したくて、滋賀から親元を離れてやって来た。投手陣だけみてもレベルが高い。後輩の織田はとんでもない。 「織田がすごいのは誰が見てもわかることなんですけど、それを超えないと真のエースとは言えないと思うので。球速で今すぐ超えられるとは思わないんですけど、それ以外の部分でしっかり勝てるようにってずっと意識してるので。ひと冬越えて、真の1番になれるように」 神奈川県大会も関東大会も、さらには明治神宮大会も、最後はマウンドで頂点に立った。「不思議なあれは感じます。選抜大会も勝ち上がっていって、最後は自分がマウンドを守れるように。それがエースだと思うので」。27年前の松坂大輔とタイプは違うけれど、奥村頼人も同じように柔らかい笑顔を見せながら、やる時はやる。【金子真仁】 ◆横浜の前回V 97年の決勝で沖縄水産を5-3で破り、大会初出場で優勝した。エース松坂大輔は9回自責点1で3試合連続完投勝利。当時の横浜は松坂以外にも小池正晃、後藤武敏、小山良男ら好選手がおり、翌98年の春夏甲子園、国体も制して公式戦44連勝をマークした。