日常の「あるある」を詠んだ句集、刊行…お気に入り250句を収録
鳥取市西今在家の市立東郷地区公民館で長年働いていた同市の栄木(えいき)恭子さん(69)が、約15年前から続ける俳句を句集「風」にまとめた。 栄木さんは2008年、俳人の長島衣伊子さんから公民館で俳句講座を開きたいと提案されたのを機に、俳句を始めた。長島さんの指導を受けて日常の出来事を句にし、地域の人と句会で交流したり、小学校で子どもたちに教えたりしてきた。 3月に刊行した句集には、お気に入りの約250句を収録した。<秋鯖(さば)の脂したたり火花散る>は、台所で料理中、バチバチと音をたてるサバを見て浮かんだ作品だ。 誰もがどこかで経験したような場面を描いた句も多い。<かめむしに長き説法して放す>は、寺で説法を聞いていたらふとカメムシが目に留まり、いつ飛んでくるか、と気が気でなかった時の様子を詠んだ。<ふり向かぬままの別れや春日傘>は、15年春に亡くなった夫と、すてきな春日傘を持っていた友人に思いをはせて作った。 栄木さんは「日常の“あるある”を詠んだ句ばかり。共感してもらえるとうれしい」と話している。 文学の森発行、税込み2750円。