「ソーシャルメディアの情報には、信頼できないものも」選挙でのネット情報との付き合い方を専門家が指摘
斎藤元彦知事が2度目の当選を果たした兵庫県知事選挙。選挙期間中、SNSや動画共有サイトなどのソーシャルメディア上で「斎藤知事はパワハラをしていなかった」という不確かな主張が拡散されました。 有権者はソーシャルメディアとどう付き合えばいいのか。選挙でのソーシャルメディアとの付き合い方について調べてみました。
若い世代へのアプローチが期待できる
11月24日に投開票された名古屋市長選挙でも、多くの候補者がソーシャルメディアを活用して情報を発信していました。なぜ候補者はソーシャルメディアに積極的なのか、ネットコミュニケーション研究所代表の中村佳美さんに話を聞きました。 中村さんによると、ソーシャルメディアは紙媒体での情報発信より低コスト、公約や選挙活動の情報などの発信先が増える、若い世代へのアプローチが期待できるなどが理由ではないかと話していました。 では、有権者はソーシャルメディアとどう付き合えばいいのでしょうか。
ソーシャルメディア上の不確かな情報に注意
中村さんは気軽に情報収集ができるほか、動画等で素の表情に触れられれば候補者を身近に感じられるなどのメリットを指摘します。一方で、「ソーシャルメディアの情報はすべてが信頼できるものではない」と言います。 ソーシャルメディア上には偽情報や間違った情報、不確かな情報もあるので注意が必要です。
「さまざまな情報から正確性を判断してほしい」
例えば11月17日に投開票され、斎藤元彦知事が2度目の当選を果たした兵庫県知事選挙。斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題をめぐり、県議会が不信任を議決したことを受けての「出直し選挙」でした。 選挙期間中、ソーシャルメディア上で「斎藤知事はパワハラをしていなかった」という主張が拡散。これに対し、京都大学大学院の教授や新聞やテレビの元記者らが運営し、インターネット上の情報の真偽を調べている「日本ファクトチェックセンター」は、告発の内容などについて調査している県議会の百条委員会の県職員へのアンケート調査の結果や、証人喚問での知事の発言の内容などから、「『パワハラをしていなかった』という主張は『根拠不明』」との見解を示しました。 中村さんは「有権者はソーシャルメディアの情報をそのまま受け取るのではなく、さまざまな情報から正確性を判断してほしい」と話していました。