やられた敵球団もメディアも大谷に脱帽「打たれたのは嫌な事だが凄い打者」
エンゼルスの大谷翔平(23)が4日(日本時間5日)のインディアンス戦で「DH・8番」でスタメン出場、2試合連続の本塁打を記録した。それも昨年18勝、最高防御率2.25のサイヤング投手、コーリー・クルーバーから5回二死二塁にセンター超えに放った価値ある同点アーチ。大谷は、この本塁打を含む2試合連続のマルチ安打(2本)。チームは延長戦の末サヨナラ勝利し、全米のメディアはまた大谷一色となった。 特筆すべきは、敵チームであるインディアンスの地元メディアまで大谷を絶賛したことだ。 大谷に痛い目にあったインディアンスの地元メディア「cleveland.com」は「大谷が再び打ち、エンゼルスがインディアンスを延長13回に3-2で破る」と、見出しに大谷の名前を取った。 「大谷はインディアンスが誇る最高の投手を見ることになった。クルーバーは3回には、大谷をまるで彫像のように打席に立たせたままにして、わずか4球で三振に打ち取った。しかし、大谷は5回に仕返しをやってのけた。それから8回は、左のアンドリュー・ミラーにゴロに打ち取られたが、10回は、抑えのコディ・アレンから安打を放ち、12回は左のタイラー・オルソンに抑えられた」と、インディアンス投手陣との全対戦を紹介した。 そして「(大谷を)1打席目と同じような形で抑えようとしたんだ。4シームを外に投げようと思ったが、ホームプレートのコーナーに行く代わりに外角から中寄りに入ってしまった」というクルーバーの反省の声を紹介した。 クルーバーは「大谷のような期待された選手と対戦することは意義深いことか」と聞かれると、「(大谷だけでなく)マイク・トラウトも、アルバート・プホルスもジャスティン・アップトンにも大いに興奮させられる。いいラインナップだ」と答えたという。 サイヤング投手の意地だったのかもしれない。 同記事は「大谷はインディアンスとの2試合で大きなチャンスをつかんだのかもしれない。打球の速度よりも、球の遅かったジョシュ・トムリンから放った(前日の)3ラン。そして、この日、昨季のサイヤング賞投手から放った同点2点本塁打は目を覚まさせるものだった」と、ライバルチームの二刀流選手を称えた。 また同メディアは、「フランシスコ・リンドーアが大谷を認める」という記事も掲載。チームの1番打者として、この日も2安打を放ち、WBCにはプエルトリコ代表として出場、オールスターにも選ばれているチームを代表するプレーヤーの一人であるショートのフランシスコ・リンドーアのコメントを取り上げた。 「大谷はいい打者だ。凄いスイングをしている。彼は(日本で)成功してきた選手なんだ。我々から打ったことは嫌なことだが、自分はうれしく思う。野球界のためには(二刀流の出現は)素晴らしいと思う」 同記事は、「ここ最近で、日本で最も人気のある米国のものは、インディアンスかもしれない。この2日間でインディアンスが大谷をどのように大リーグに迎えたかを日本のファンはよく知っているはずだ」と、引き立て役に回って連敗したチームへの皮肉も忘れていなかった。