実は「身長」は関係ない!? 自身170㎝でU-16日本代表ヘッドコーチ歴任の富樫選手の父の考え
「ポイントガードも、180㎝あるのが理想ですが……」
48年ぶりに自力でオリンピック出場を果たしたバスケットボール男子。7月30日に行われた予選リーグ、フランス戦では“疑惑の判定”がなければ勝利を手にしていたところだった。そんな日本代表チームの司令塔ともいわれるポイントガードを務めるのは、身長167㎝の富樫勇樹選手と、172㎝の河村勇輝選手だ。 【発見撮!】30万円する電動自転車にまたがり…バスケ・富樫勇樹「ワイルドすぎる散歩姿」 「僕が現役だったころは、世界で戦うなんて、夢のまた夢。今回も、1勝すれば奇跡だと思っていたけれど、世界と互角に戦っている。びっくりです」 フランス戦を見て、こう語るのは勇樹選手の父である英樹さん。 Wユウキ選手の活躍を見ると、バスケットボール選手になるには、もはや身長は関係ないと思える。 「いやー、勇樹は親を恨んでいると思います。両親とも小柄だから」(富樫英樹さん・以下同) 英樹さん自身、中学1年からバスケットボールを始め、大学卒業後は4つの中学でバスケットボール部を指導。いずれの中学も全国大会常連校へと押し上げ、日本一にも2度輝いた。 U-16日本代表ヘッドコーチも歴任し、’14年に開学した新潟県の開志国際高校のバスケットボール部の監督に就任したと思ったら、わずか5年で全国制覇を成し遂げた、身長170㎝の凄腕指導者。 英樹さんの奥様もバスケットボール選手だったが、身長155㎝。それでも社会人チームの一員だったというから、やはりバスケットボール選手に身長は関係ない? 「いやいや、私は大学時代はずっと3軍でしたし、身長が高いほうが有利だなと思っていました。今も思っています。 オフェンスをするにも、ディフェンスをするにも、すべてに不利です。3ポイントシュートを打つとき、勇樹はリングが見えていないんじゃないか。よく入るなと思います。チームを作る者としては、できるだけ大きな選手でそろえたい。これが本音です」 英樹さんが現在監督を務める開志国際高校のチームのポイントガードは? 「165㎝です。小柄だけど、スピードもあるし、ディフェンスもできるし、シュート力もあります」 なぜかポイントガードは小柄な人が多い。これは? 「ポイントガードには特殊技能が必要だと、僕は思ってるんです。中学までにポイントガードを経験していないと、高校に入ってからではできない。ほかのポジションと、目と頭の使い方が全然違う」 バスケットボールでポイントゲッターとなるのは大柄な選手だ。そのため小柄な選手はミニバスケットボールの時代からポイントガードのポジションを与えられることが多いのが、今の日本の状況だ。ゲームの流れや展開を読んでチームメイトに指示を出し、ゲームを作るポイントガードには経験が必要だと英樹さんは言う。 「180㎝ぐらいのポイントガードが育ってほしいけれど、今の状況を見ると、なかなかむずかしい」