元幕内・照強が断髪式 横綱・照ノ富士にハサミを入れられ涙 阪神大震災の日生まれ 今後は地元での事業に意欲
大相撲で今年3月に引退した元幕内・照強の福岡翔輝氏の断髪式が23日、東京・両国国技館で開催され、約300人がハサミを入れた。師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)の止めばさみで大銀杏(おおいちょう)に別れを告げて「体の一部が離された感じでした。一緒に戦った人、稽古してきた人との思い出がフラッシュバックして感極まりました」と振り返った。 3月の引退会見では思い出の一番に同部屋の照ノ富士の優勝を後押しした2020年7月場所14日目の大関・朝乃山戦の勝利を挙げていた。幕下時代から一緒に稽古を積み重ねてきた横綱にハサミを入れられ、「お疲れ」と耳元で声をかけられると涙があふれ出た。「アナウンスが入ってからいろんな人の思い出がよみがえって、横綱の時に泣くのだろうなと思っていました。みんなでご飯を食べて、稽古してきた部屋のみんなとの思い出で、うるっと泣いてしまいました」と感慨深く語った。 照強は阪神大震災が起きた1995年1月17日に兵庫・洲本市で生まれた。「たくさんの方にみていただいて、勇気づけられたらいいと思っていた」と引退会見では語り、故郷への思いを胸に14年間土俵に上がり続けた。今後は東京と地元を行き来して事業に携わるという。「常に地元への思いはあります」。第2の人生でもふるさとを照らす存在であり続ける。(大西 健太)
報知新聞社