罵声、争奪…無礼講 笠間・奇祭「悪態まつり」 茨城
茨城県笠間市泉の愛宕山で15日、奇祭「悪態まつり」(愛宕神社主催)が行われた。麓から山頂の神社まで、16カ所のほこらに無言で供え物をする天狗(てんぐ)の行列に対し、見物人や参拝客が罵声を浴びせ、御利益があるとされる供物の奪い合いも見られた。 同神社の境内で天狗にゆかりのある飯綱神社(後藤裕之宮司)の祭礼で、江戸中期から続くとされる。「悪態」の風習の由来には諸説あり、領主が領民の不満を探るため1日限りの無礼講を許したともいわれる。 神職と氏子総代らが扮(ふん)する13の天狗に対し、見物人らから「遅いんだよ」などと、四方八方から罵声が浴びせられた。「物価がたけえんだよ」など世相への不満を吐き出す声も。最後は愛宕神社の社殿に面を着けた天狗が勢ぞろいし、紅白餅や菓子をまき、境内を埋めた全員と「ばかやろう」を三唱した。
茨城新聞社