「5,000万円のタンス預金」が税務調査でバレて…几帳面な夫を亡くした50歳・専業主婦の妻、課された「追徴課税額」に絶句【税理士が解説】
タンス預金自体は違法ではありませんが、税金の申告時にタンス預金を隠すことは絶対に避けるべきです。税務調査によって簡単に申告漏れを指摘されてしまい、大きなペナルティが課されるためです。本記事ではAさんの事例とともに、税務署に指摘される「タンス預金」について、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング
50歳でのセミリタイアを目指して資産形成も、道半ばで…
外資系企業で働いていたAさんは50歳になったらセミリタイアをする目標に向け、35歳のときから資産形成を進めていました。 Aさんの職場は業績に応じて年収が上がるものの、残業も多かったために、50歳になってもいまのようなワークスタイルを維持していくことに体力的な厳しさを感じていたのです。また、プライベートの時間を持ちたいという気持ちもありました。 セミリタイア後は、これまでの経験を活かして、経営コンサルタントの仕事をしようと考えていました。想定している稼働日数は、週の半分くらいです。金融の分野にも強いAさんは、思い描く未来を実現するために、資産形成を計画的に行っていました。 年齢とともに、職場での立ち位置も責任のあるポストになり、なかなか退職のタイミングを見つけられないAさん。気づけば53歳を迎えていました。 ようやく子供も大学を卒業して、社会人になった今年こそ、退職してあらたなライフステージへ……と考えていた矢先に、Aさんは職場で倒れて亡くなってしまったのです。 あまりに突然のことで、専業主婦をしていたAさんの妻も、なにが起きたのかわからないまま、周りの方々の励ましや協力により、お葬式や相続の手続きが進められていきました。 退職したら、ずっと行けなかった長期の海外旅行の予定を立てていましたが、それももう叶いません。いろいろとこれからというときにAさんを失い、家族はとてもやり切れない気持ちで数年を過ごしていたことでしょう。 そんなある日、税務調査を知らせる一本の電話が鳴りました。