カズのライバル?後継者?横浜FC17歳の高校生Jリーガー斉藤光毅はこんなに凄い!
ボールをもてばまず前を向く。次の瞬間、迷うことなく切れ味鋭いドリブルを仕掛ける。何人もの相手選手が待ち構え、それほどスペースもない敵陣のペナルティーエリアのなかへ勇猛果敢に切り込んでいく横浜FCのホープ、FW斉藤光毅の姿は、森保ジャパンのMF中島翔哉(アル・ドゥハイルSC)に重なる。 実際に体のサイズも身長170cm、体重61kgと、中島の167cm、64kgとほとんど変わらない。4分が表示された後半アディショナルタイムを含めて、約15分の間に幾度となくスタンドを沸かせた。それでも、17歳の斉藤は自らにダメ出しをした。 「ゴールを決めたい、という欲が強くてちょっと仕掛けすぎてしまって、状況判断が疎かになった部分があったので。そこは改善して、次につなげていきたい」 ホームのニッパツ三ツ沢球技場にアルビレックス新潟を迎えた、16日の明治安田生命J2リーグ第4節。1-1で迎えた後半34分から、前半に同点ゴールを決めていた新加入のMF松浦拓哉(前ジュビロ磐田)に代わって、斉藤は3試合連続でピッチへ送り出された。 過去2戦を含めて、いずれも同点もしくはリードされている状況で、ゴールに絡む仕事を託されて途中出場した。表情にあどけなさを残し、メディアとの受け答えもまだ初々しい高校生2年生へ、ブラジル人のタヴァレス監督が寄せる期待の大きさが起用法からも伝わってくる。 新潟戦で任されたポジションは1トップの背後のシャドー。数人を鮮やかに抜き去ったドリブル突破は、相手ゴール前へ迫る最後の関門で2度阻止された。相手を引きつけながら、直前に味方へパスを出していれば――悔恨の思いが、終了間際に奪われた決勝点を介して増幅されていたのだろう。 それでも、大いなる可能性は感じさせた。メインスタンドで観戦していた横浜FCの会長兼スポーツダイレクターで、ブンデスリーガで9年間プレーした経験をもつ奥寺康彦氏は「もう少し早く試合に出してもよかった」と敗戦のなかでも声を弾ませた。 「果敢に仕掛けていくタイプは、いまのウチにはいないからね。彼自身の技術を高めることもそうだけど、周囲とのコンビネーションをもっと高めていけば、さらにいい形でボールをもらえてシュートまでいける。僕としては大いに今後を期待したい」