閉山中の富士山には多くの危険…ただ入山規制の法制度なく県は閉山期間の登山自粛を強く求める 静岡
改めて富士登山についてみていきましょう。 富士山には、静岡県側に3つ、山梨県側に1つのあわせて4つの登山口があります。 夏山シーズンで開山している期間は静岡側と山梨側で異なっていて、静岡側は7月10日から、そして山梨側は7月1日からです。
続いてこちらは富士山で起きた遭難事故の発生状況です。 開山している期間には63件で70人が遭難。 閉山期には12件で15人が遭難しています。 遭難の人数については閉山中の登山者数はデータがなく比較できませんが、山岳遭難で死亡した人の割合では夏山シーズンは約3%に対し、閉山期間は20%と大きく差があり、閉山期間での遭難が重大な事故につながる可能性が高いことがわかります。
天候の急変に雪崩や落石など危険な環境
では、なぜ危険なのか静岡県の担当者は開山期以外の登山が危険な理由について主に天候・環境の2つを挙げています。 富士山は標高が高いため気温差が大きく、特に夏以外の期間は気温が急激に下がったり風が激しく吹いたりするそうです。 2023年7月に県警が富士宮口5合目で撮影した画像は天気がすごく良いようにみえますが、その2時間後の富士宮口8合目から9合目では青空は一切見えず天気が急変しています。 また、閉山期間は雪崩や凍結の時期でもあり、落石も発生しやすいということです。 さらに山小屋や救護所、トイレなどが閉鎖されているほか、携帯電話も通じにくく万が一の時に安全確保が難しい状況です。
一方で県が管理している登山道を閉鎖することはできますが、登山道以外からも富士山に登ることは可能で、入山自体を規制する法令がないというのが現状だといいます。 ただ、県としては閉山期間は登山はしないよう呼びかけています。
テレビ静岡