有澤樟太郎、松下優也、清水くるみが魅せる新生『キンキーブーツ』
2005年の映画『キンキーブーツ』をもとに、2012年に誕生したミュージカル『キンキーブーツ』。日本では2016年、2019年、2022年と上演を重ねてきた。 2025年4月~6月の公演ではチャーリーを東啓介・有澤樟太郎、ローラを甲斐翔真・松下優也、ローレンを田村芽実・清水くるみがそれぞれWキャストで演じる。情報解禁を前に行われた、有澤樟太郎、松下優也、清水くるみによるビジュアル撮影の様子をレポートする。 【全ての画像】『キンキーブーツ』ビジュアル撮影風景 BGMとして『キンキーブーツ』の楽曲が流れる中、まずは撮りたいイメージを全員で共有し、チャーリー・ローラ・ローレンの3ショットから撮影がスタート。靴の箱が積み上げられる中、真っ赤なブーツを掲げるチャーリーとローラ、「プライス&サン」の箱を手に持つローレンという、作品を象徴するようなカットだ。 和気藹々とした雰囲気で撮影が進む中、クリエイター陣やスタッフから「こうしてみたら?」、「これはどう?」と次々にアイデアが発信され、3人が様々なポーズや表情を作っていく。3人揃ってはじけるような笑顔を見せたり、各キャラクターの性格が見える表情を作ったり。コミカルでくるくる変わる表情が魅力的な有澤、華やかでパワフルな笑顔が愛らしい清水、ゴージャスな美貌といたずらっぽい笑顔で目を惹く松下と、それぞれの個性が溢れるポップでキュートなカットに、周囲からは何度も歓声が上がっていた。 有澤と松下は10cmを超えるヒールを履いて中腰の体制を保っているためかなり大変だと思うが、2人とも笑顔を絶やすことなくあたたかい雰囲気で撮影が進んでいく。撮影したカットの確認中も各々がBGMにノって身体を揺らしていたり、軽く踊っていたりと、作品の世界に浸っているのが印象的だった。 続いては、チャーリーとローラの2ショット。背の高い2人が真っ赤なブーツを履いて並んでいると非常に迫力がある。時折見せる困り顔や人の良さそうな笑顔が愛らしい有澤のチャーリーと、溌剌とした印象が眩しい松下のローラはバランスも相性も抜群だ。 全身が映ることもあり、松下はよりしなやかな立ち姿を披露し、身体全体でローラの魅力を表現する。足の角度や手の位置などを細かく調整する中、有澤から「頭の高さとかは大丈夫ですか?」 と質問が出て、改めて確認するシーンも。ポーズも表情もばっちり決まったカットが撮影できると、見守っていたスタッフから「ブラボー!」の声が上がり、スタジオ内の空気がさらに熱気を増す。その熱に応えるように2人の表情もさらに良くなり、活気のある雰囲気で撮影が進んでいった。 クリエイター・スタッフ陣の連携とキャスト陣の表現力によってスムーズに撮影が進み、予定よりも早い段階でローラのソロ撮影へ。松下は自信に満ちた表情を見せたかと思えば愛らしい笑顔や挑発するような表情でカメラを見つめ、ローラという人物の魅力を次々に表現していく。後ろ姿の撮影でも、しなやかな身体のライン、繊細な指先の表情で、女性から見てもハッとするような妖艶な立ち姿を作っていた。その様子に周囲からは感嘆の声が上がり、髪の毛を靡かせる風やヒールの向きといった細かな部分まで丁寧にディレクションが入る。躍動感のあるカットやローラの力強い美しさが伝わるカットなどが次々に撮影でき、確認するスタッフからは「いいカットがこんなにたくさん!」と嬉しい悲鳴も上がっていた。 まだ衣装とヘアメイクの段階で、キャラクターを深めていくのはこれからだと思うが、すでに「このキャストが演じるあのキャラクターはこんな感じになりそう」、「あのキャラは誰が演じて、あのシーンはどうなるんだろう」というワクワクが膨らむビジュアル撮影だった。新たなキャスト陣によるミュージカル『キンキーブーツ』に期待したい。 取材・文・撮影:吉田沙奈 <東京公演> ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」 公演期間:2025年4月27日(日)~5月18日(日) 会場:東急シアターオーブ