「原子力は必要。ただし…」能登半島地震で懸念高まる志賀原発の安全性 元現場責任者の複雑な胸中
北陸放送
能登半島地震で最大震度7を観測した石川県志賀町にある北陸電力の志賀原子力発電所。志賀原発近くの活断層が動いたことでその安全性を懸念する声が高まっています。 【写真を見る】「原子力は必要。ただし…」能登半島地震で懸念高まる志賀原発の安全性 元現場責任者の複雑な胸中 記者 「県内外から多くの人たちが金沢市内の公園に志賀原発の廃炉を訴えて集まっています」 志賀原発訴訟弁護団長 岩淵正明弁護士 「避難計画など絵に描いた餅なんです。志賀原発の差し止めも当然、認められるべきではないでしょうか」 6月30日、金沢市内で開かれたのは志賀原発の廃炉を訴える市民団体の集会。周辺の活断層による地震や地盤の隆起などが原発に与える影響は大きいとして、1000人を超える参加者が、ただちに志賀原発を廃炉にするようパレードしながら訴えました。 志賀原発訴訟弁護団長 岩淵正明弁護士 「150キロもの長大な活断層が一挙に動いたということを想定していなかったということが非常に大きな問題。原発が地震に脆いということがハッキリしたという点は非常に大きかった」 ■志賀原発の安全性は? 能登半島中部に位置する志賀原発。 元日の地震の際、原発は運転停止中でしたが、1号機の原子炉建屋の地下2階で震度5強の揺れを観測しました。この地震で1号機、2号機ともに使用済み燃料を貯蔵しているプールの水が周囲に飛散。また1号機の起動変圧器と、2号機の主変圧器のそれぞれで地震による共振が原因で想定を超える負荷がかかり、配管が損傷して絶縁油が漏えいしました。 さらに2号機ではタービンや発電機が損傷。このほか中能登町の変電所に設置された絶縁装置も損傷し、全部で5系統ある外部電源のうち2系統が現在も使用できない状態が続いています。 石川県議会 盛本芳久議員 「能登半島地震の被害と被災状況に鑑み、1次産業の活性化や今後の交流人口増などを中心とした創造的復興に志賀原発の再稼働は整合しないと考えるが知事はどのような見解か?」 志賀町議会 堂下健一議員 「町長の最大の仕事として住民の生命財産を守ることが挙げられるが、現況を鑑みた時に志賀原発に過酷な原発の複合災害時にその任務を果たせるでしょうか?」