福島第一原発2号機のデブリ、初めて取り出しに成功…大きさは耳かき1杯分
東京電力は7日、福島第一原子力発電所2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しに成功した。デブリの回収は2011年の原発事故後で初めてとなる。デブリは試料として扱える状態になり、東電は本格的な取り出しに向けた分析を行う。 【動画】デブリつかんだ瞬間とらえた…東電・福島第一原発
東電によると、デブリは6日から原子炉格納容器につながる金属製のスペースで、アルミニウム製の小箱に保管していた。7日午前11時40分、小箱ごと樹脂製の専用コンテナに入れた。東電はこの時点で試験的な取り出しの完了と位置付けている。デブリは原子炉建屋内に設けた密閉設備に運び、重さなどを測定する。
福島第一原発事故では1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起こり、核燃料が炉内の構造物と混ざって推計約880トンのデブリが発生した。今回のデブリは、大きさが耳かき1杯分の5ミリ程度、重さは3グラム以下とみられる。
デブリは茨城県の日本原子力研究開発機構大洗研究所に運ぶ。数か月から1年程度かけて成分や硬さを分析し、30年代初頭からの本格的な取り出しに向けた手法や工具の選定につなげる。
東電は8月22日に取り出しに着手する予定だったが、取り出し装置を原子炉内に押し込むために使うパイプの接続順序にミスがあったことが判明。着手できたのは9月10日で、同17日には、装置先端部に取り付けたカメラの不具合が見つかり、作業を中断した。カメラを交換後の10月28日に再開し、同30日にデブリをつかんだ。